デンマーク、電車と自転車の旅
北欧通信 109
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デンマーク、電車と自転車の旅
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若い女性は、筋トレでより大きな体つくりを目指す
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左側から綱を引く
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表現の自由? 市民の安全? テロ計画と、そして裁判で負け続けていた警察
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終了していたストックホルムのレンタサイクル
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スウェーデンのニュースに登場するのは圧倒的に中年の白人男性
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国を訴えて、王様から表彰される
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増えた新聞系メディアの購読世帯数
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高度人材労働移民のためのファストトラック
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ユーロビジョン・ソング・コンテスト、勝利のあとの開催費問題
デンマーク、電車と自転車の旅
以前ルーブル美術館に行ったことのないパリっ子に会ったことがあるが、私がこれまで、ろくにデンマークを巡る旅をしていなかったのも同じようなものかもしれない。いつでも行くことができるとどこかで考えていると、近くへの旅はなかなか実現しない。
しかし最近、ブログでも時々デンマークの政治や自転車について書いているうちに、どんどん興味がわいてきて「そう言えばデンマークって、電車ですぐだよね」(実際はそんなに”すぐ”ではなかったけど!)、ということで、3泊4日の小旅行に出かけてきた。まず一日めはルンドから電車で、一気にデンマークの最果て、スケーエンまで。
Google Mapより。私のお気に入り登録のハートマークは気にしないでください😅
出掛けてから、スウェーデンクローナがデンマーククローナに対してここまで弱くなっている今、なぜわざわざ出掛けていったのかとちょっと後悔したけど、そのデンマークで唯一安い!と思ったのが、電車の料金。(あ、あと、スーパーで売られている豚肉やお惣菜も安かった)
コペンハーゲンからスケーエンまでは、デンマークの国鉄DSBで乗り換え時間も含めると延々6時間半ほどかかったけれど、チケット代金はひとり3900円くらい。デンマークでもスウェーデン同様、早めに予約すれば驚くほど安い値段でチケットが購入できる。最終日、コペンハーゲン近郊で乗った電車の当日チケットも、スウェーデンの感覚よりも安かった(そしてその路線では自転車の持ち込みも無料だった!)
スケーエンについてすぐ、ミュージアムで食べたこのチキンのサラダ。美味しかったんだけど、日本円換算で3000円もして、驚愕😱 ここで、デンマークでは普通に外食していてはいけない!と気がつく。
スケーエン観光のメイン、バルト海と北海がぶつかり合う浜辺までは駅から3キロほど。自転車でいくことにして、駅前のレンタバイク屋さんにいったら、置いてある自転車の数がすごかった。
この手前にダンデムとか、カーゴとか複数人で乗れる自転車もずらりと並んでいた。実質3時間くらいしか使わないということで、一台30クローナという低料金で貸してくれた
そして、この海岸までの自転車道が快適すぎる。スウェーデンでも通勤や通学のための自転車専用路の整備は進んでいるけど、この道は、ほぼほぼ観光客のためのもの。そこにここまで投資するなんてすごい。自転車はすべてにおいて、この国の基礎となるものなのか?
よく整備された観光用自転車道。しかしどこまで行っても平らで、デンマークやオランダが自転車大国なのは、やはりこの地形も大きく影響しているよなー、と思う。
駅でみかけた地図では、デンマークには長距離観光用サイクルロードがあることがわかる。サイクルロードなのに、さりげなく長さは560キロと書かれていたり。
夏にはきっと何日もかけてこの西海岸ルートを自転車で旅する人も多いかと
そして翌日は、スウェーデンのスカンセンのような野外博物館に、国際レベルのARoSミュージアム、Sallingデパートの屋上展望テラスに、楽しすぎる(そして普通のレストランよりはぐっと安い)ストリートフードマーケット、さらには港湾再開発地区など、見どころが満載すぎるオーフスへ。スケーエンから電車で4時間。
オーフスの街は実は結構足だけで回れたけど、港湾地区に行くのに、コペンハーゲン発でヨーロッパの71都市に進出してるDonkeyという、アプリで借りれるレンタバイクシステムを試す。
オーフスでは30分15クローナの料金
こちらは、前の人が借りて返した自転車がそのまま置かれているだけなので、運が悪いと変な自転車にあたってしまいそうだけど、自転車一台一台に名前がついているので、レンタル決定ボタンを押す前に、借りようとする自転車をじっくりみてから借りるようにするとよいのかなと思った。幸い、特に問題もなかった。
その翌日はオーフスからロスキレに電車で移動。ここでバイキング船ミュージアムなどを観光した後に、今も王家が住居として使うフレデンスボー城まで移動して、隣接しているStore Kroに宿泊(食事も合わせて、このKroがとてもよかったのでおすすめします)。最終日はフレデリクスボー城を堪能してルンドに戻ってきた。
各地で訪れた観光スポットはどれも楽しくすばらしく、値段が高いのだけを除くと最高の旅。後いろんな電車にのったけど、私たちが乗った電車は向かい合わせになる座席がほとんどで、いろんな人がいるなぁとか、向かい合わせになった人と足がぶつからないようにお互いさりげなく気を使い合ったりもして、公共の空間を他の人と一緒に使うという、最近ちょっと忘れていた感覚を思い出して、その意味でもよい旅でした。
写真をいろいろ撮ったので、来週以降もブログで使っていこうと思うので、しばらくはデンマークの写真が続くかもしれませんが、よろしく〜。
スウェーデンのジムでは、筋力トレーニングに励む女性が目立ってきている。これまでジムに通う女性の間では、エアロビクスやヨガ系のグループレッスンが人気だったが、マシーンや重量を使って筋肉を鍛える女性が増えている。目指すのは筋肉で大きくなった体。
インタビューに答えていた23歳のヴィルマさんは、Tiktokやインスタグラム、Youtubeには筋トレインフルエンサーの動画がたくさんあって刺激を受けると話していたが、筋トレ道を極めるためには、目標を持つことが大切で、彼女の場合は将来警察官になりたいと思っているので、そのために身体を鍛えたいのだという。
別のパーソナルトレーナーは、以前はほっそりとした身体をつくりたい、痩せたいとジムに通う女性が多かったが、今はまったく反対で、筋肉をしっかりつけることが目標で、ヒップなどを大きくする筋トレに励む若い女性が多いという。
確かに筋肉って鍛えれば反応するし、この不安な時代にも裏切らないから、今のご時世にあっているのかも。筋肉があれば、逃げたり戦ったりする時にもいいに決まっている。
そして、昔は高校生ぐらいの年代では各種スポーツに打ち込むことはあっても「筋トレ」だけするなんてなかったと思うのだけれど、高校2年生の私の甥っ子は、毎日筋トレのために友だちとジムに通っている。世界の総筋肉率は上がっていっているのだろうか?
ダーゲンス・ニュヘテルがIpsosと共同で行った最新の有権者バロメータ調査では、スウェーデンは過去9年間で最も左よりに傾いていることがわかった。仮に今日選挙が行われたら、社会民主党、左党、環境党の支持者合計で50%を上回る。現政権側の穏健党、スウェーデン民主党、自由党、キリスト教民主党の支持合計は43%にとどまった。
この調査は「もしも今日選挙が行われたら、どの政党に投票しますか? 政府はよい仕事をしていると思いますか? 政権が野党に変われば、よりよくなると思いますか?」などを定期的に調査している。
昨年の9月に選挙が行われ右派連合が政権を担当するようになってから、マグダレーナ・アンデション元首相に率いられた社会民主党(今回37%)、ならびに左党(9%)の支持は高くなったまま推移している。一方、落ち込みが続いていたスウェーデン民主党(19%)と穏健党(18%)の支持もだいだいこのあたりで固定してきたよう。
私は、社会は進化続けていたが今激しいバックラッシュにあっている、進んでいたものが後退しているのではと考えていた時は、これから先どうなるのだろうと不安になっていたが、社会には意見の異なる人たちが常にいて、それがいつも綱引きをしている状態だと考えると、今起きていることも落ち着いて見ていられるようになった。(ちょっと前にニュースレターにも書いてみた)。引かれた綱は引き返せばよいだけだから。
昨日の夕方ヨガのクラスに行って、帰ってきたらスウェーデンの日本大使館からの安全情報メールが届いていた。「スウェーデンにある教会を標的としたテロを計画した疑いのある兄弟がドイツで逮捕された。テロの標的になりやすいところに行くときは注意し、安全の確保を」と書いてある。
背後にあるのは、もちろんデンマーク、スウェーデン人のラスムス・パルダンによるコーラン焼却のアジテートで、その後テレビのニュースをみたらそこでも大きく取り上げられていた。彼のスウェーデンでのコーラン焼却の行為を扱うニュースは、ちょうど1年ほど前のこちらの事件あたりから大きくなっている。
私は昨日ちょうど、スウェーデンの警察がパルダンによる集会開催許可申請を何度も却下していたが、これは表現の自由の観点から正しい行為ではないと、行政裁判所で10度も敗訴の判決を受けていた、という記事をダーゲンス・ニュヘテルで読んだばかりだった。
パルダンは、スウェーデンが憲法でも一番大切にしている表現の自由をたてに、扇動的な行動をやめない。スウェーデンの警察はこの法の遵守と市民の安全との間に立ち、パルダンの行動をやめさせようとしているが、それは法律違反の行為でもある。
この記事で初めて知ったが、デンマークでStram Krus党の党首であったパルダンは、2020年の秋、マルメでコーランを燃やすことを計画したが、これを社会的脅威だとみなしたスウェーデン警察からスウェーデンへの国境で入国を止められ、2年間の入国禁止の処分にあった。その後彼は、スウェーデンの二重国籍を取得し、この入国禁止は解除された。もともとデンマークとスウェーデンにルーツのある人だと思っていたが、この記事を読む限りはコーラン焼却のため、そしてスウェーデンで「政治家」として活動するために、わざわざスウェーデン国籍をとったと理解できる。ほんとうにやめてほしいが、きっとこの時にも国籍取得申請をスウェーデンは却下できないことを十分知っていた上で行動だったのだろう。
それからは、警察がパルダンのデモを止めようとしたり、集会の場所を変えようとしたり、最後の手段としてコーランの焼却を全面的に禁止しようとしたが、その多くは裁判所により違法の判決を受けている。訴えたのはもちろんパルダンだ(警察やスウェーデンのイスラム関連団体によるものもある)。しかし最近では、そのうちいくつかで警察の対応を支持する判決もでている
今回、具体的な爆発物によるテロ行為が計画されていたということで、スウェーデン国内でのパルダンの扱いが変わるのかもしれないが(また、パルダンは何度も殺人予告を受けており、また警察が保護してくれないといって、スウェーデンにくることをやめるとも話している)、この一連のパルダンの集会開催許可申請却下の扱いを、警察権力、さらにはその背後にある政府の意向で、「表現の自由」が弱められていると、警鐘をならす声も聞こえてくる。このあたりの感覚は私のような日本人には少しわかりにくいが(こんな行為、さっさとやめさせてしまえばいいのにと思ってしまう)、スウェーデンを最もスウェーデンらしくしているもの、それが表現の自由なのだから、スウェーデン国家権力は、この危険な人物を簡単に取り締まれないという大きなジレンマがある。
昨日急に、1ヶ月も前にドイツで逮捕されていた兄弟のニュースが出てきた背景にも、これで世論を得て、スウェーデンでのコーランの焼却の禁止を法律として整備してしまいたい政府と警察の意向が反映されているのかもしれない。このままではスウェーデンはNATOにも加盟できないし。
表現の自由といえば、やはりこちらも思い出さずにはいられない。
先週ブログを休んでいた間に、ストックホルム市が問題が続出していたCityBikeとの契約を即時解除していた。次のレンタサイクルについてはまだなにも決まっていないということで、再開までには少なくとも1年はかかる見込み。
今のレンタシステムが導入されてからこれまで、納入の遅延、技術的な問題、数の足りない自転車、火災の危険性など、次々と問題がおこり、そして最近ではハンドルからフレームが外れ怪我人がでるという重大なミスがでて、点検のためにサービスは一時停止されていた。
システムを運営しているCityBike社が整備のためにこの先6〜9ヶ月サービスを停止することを求めたため、市は契約の解除を決めた。
自転車を供給してたVaimoo社はフレームが外れる問題の解決策を見つけることができなかったため、運営のCityBikeでは新しい自転車供給先を探したいと考えていたが、ストックホルム市は、もうこれ以上この我慢できないと契約の即時解除に踏み切ったもの。
契約では、この場合3ヶ月以内に配備されていた自転車たちは撤去され、CityBikeの運営費を捻出していた屋外広告スペースも同時に撤去されることになる。レンタシステムの運営費は屋外広告のClear Channelが設置した数百ある広告スペースからの収入で賄われてきた。
今年の夏は、電動キックボードではなくて、みんなこの自転車でストックホルムを移動するとよいなぁと思っていたけれど、こういう流れになるとは。撤去される自転車はスクラップとなるのだろうか?
【追記】この記事を書いたすぐ後で、ダーゲンス・ニュヘテルが最新情報をアップしていました。こんなに回収されてしまった自転車たちの運命やいかに。自転車の墓場、って……。
男女の人口比率は均等であるにも関わらず、スウェーデンの国内ニュースでは男性が3分の2を占め、またスポーツ関連のニュース以外では、白人以外の人はほとんどでてこない。
Mediekompaniet社は広告代理店と広告主の間で、表現と多様性に関する問題に取り組んでいて、2019年からメディアの中の公平性に関する調査を行っている。この度発表された今年の調査結果では、この4年間にほとんど大きな変化は起きておらず(一時期、女性が首相だったのに……)、メディアに登場するのは男性が66%、女性が34%だった。そしてその差は国外関連ニュースではさらに大きく、男性76%、女性は24%となっている。
調査はさらには、ニュースにでてくる「専門家」の性についても調べており、こちらでは70%は男性で、残念なことに2019年よりも男性比率は増えている。
アフトンブラデーットの副編集長のマーティン・ショリ(この人のニュースメディア論の教科書、読んだことがあるよ!)は、メディアは出演慣れしている専門家を貸し借りするのはよくあることで、偏りがある。締切に追われていると、時間内にはっきりしたコメントを出してくれるとわかっている人にお願いする傾向があり、その際に多様性が割を食う。しかし、この状況は変化が必要で、メディアには社会を反映させる責任がある、と話す。
Mediakompaniet社は、メディアの中に自分たちが反映されていないと感じると、民主主義の観点からも広告の観点からもよいことはない、人々はそのメディアから離れてしまい、最終的にはそのメディアへの接触を止めてしまうことがあると指摘する。
そう言えば、スウェーデンのニュースにでてくるアジア系の人と言えば、このブログでも何度か取り上げた、登場する時にはいつも激怒している中国からの大使なんだけど、ええっと、この人は本国に帰ったんだったけな?
【追記・5月24日】ひろろきさんにすばらしいコメントをいただき、記事タイトルを「スウェーデンのニュースでは中年の白人男性の露出が圧倒的に多い」から変更しました😅 ひろろきさん、本当にありがとうございます。
お詫びといってはなんですが、日本ではこういう状況という情報へのリンク張っておきます! 中高年の男性は同じのようですが、女性は「若い」人ばかりなのか😰
この度、スウェーデン国王から勇気、思考、行動の伴った若者へ送られるKompassrosen賞で表彰された19歳のアンドレアス・マグナソンは、気候アクティビスト。この賞は国王の財団「Ungt Legarskap(ヤング・リーダーシップ)」から毎年5人の目覚ましい活動を行った若者に送られる。
14歳の時から気候問題に関わりはじめ、Fridays for FutureやAuroraで活動を続けてきた彼は「気候変動に対抗し、課題を解決するための幅広い社会的関与の重要性を思いやりにあふれた態度で証明した」という理由で、5万クローナ(約66万円)の奨学金を国王から受けた。
Auroraは気候政策を守っていないと国を提訴した気候アクティビストグループだ。
今はフルタイムの仕事に相当する時間を気候変動への行動に費やしているというアンドレアスは、このような形で国王から奨学金をもらうのは、この活動が大切であるとの証明で喜ばしいし名誉なことだと考えていると話す。ある意味で10代の普通の暮らしを送ることを逃してしまったのかもしれないが、今は自分のやっていることを続けることに責任を感じているとも。
表彰に際して彼は「気候問題に関しては二酸化炭素や北極のクマ、そして海洋プラスティックが語られることが多いが、結局はすべて人間に関すること」とコメントしている。
今回の他の受賞者には、24歳で初の児童の商業的性的搾取のオンブズマンとなったガブリエラや、問題が多い地区でみんながサッカーに取り組めるように14歳から活動を続けるモハメッド、またTiktokのクリエーターで、若者への教育支援する会社を3つも経営するラスムスなどがいる。
前にも書いたけど、こいう記事を読むと、スウェーデンは表彰するのが上手だなと改めて思う。選ぶ側にも責任が伴うけど、人から認められるということはその人をさらに強くする。
今年もメディア視聴習慣に関する大規模調査メディア・バロメーター結果が発表された。これによるとスウェーデンでは今もメディア視聴とニュースの消費量が高いまま推移していることがわかった。
パンデミックの前は日に6時間程度であったメディア視聴時間は、その後のロシアのウクライナへの侵攻や高騰するインフレ、そして去年は4年に1度の統一選挙もあったことから、一日平均7時間と、過去最高レベルを記録した。
人々が最も接触しているのは動画で、平均的な一日を取ると93%の人が何らかの形で動画をみていた。
興味深いのは日刊紙、とりわけデジタル購読者が増加したことで、現在平均的な一日を例に取ると、73%の人が新聞系メディアを読んでいる。これは2021年の68%から増加しており、また61%の人がデジタルで、27%の人が紙の新聞を読むと回答している。新聞の購読世帯数も3年連続で増加しており、2022年は約半数が購読契約しているという結果になった。
スウェーデンのメディア・バロメーターは1979年から実施されており、この種の調査としては世界で最も歴史がある。調査を手掛けているヨーロボリ大学のメディア研究所Nordicomの専門家は、メディア視聴は「習慣」と深く結びついており、パンデミック時にデジタルメディアを課金するという習慣ができ、それが今回の結果にも結びついていると解説する。
また調査では公共放送の視聴も増えていることもわかり、公共テレビのSVTが全体で最も利用されているニュースメディアである。
このブログ記事もSVTのニュスサイトを参照して書いているけど、うちではダーゲンス・ニュヘテルとシッドスベンスカンの2紙を定期購読していて、アフトンブラーデットがキャンペーンをしている時はこちらも時々課金している。
動画系は見ている時間がないので今はどのサブスクリプションにも入っていないけど、スポティファイは最近はそれほど使ってないのにずっと払っているなぁ、という状況。スポティファイからCDへ戻ろうと思っていたのだけど、CDプレイヤーが壊れたままなので、まずはこれを買うところからかな。
国際的に競争力のある高度人材労働移民のために、政府は移民庁に新しく対応部門を設立する。この年末から、高度な能力人材への労働許可を専門に扱う部署ができ、人材が必要な企業のニーズを優先させる。申請許可は迅速に処理される予定で、高度人材だと認められ申請に不備のなかった雇用主には申請から30日以内に回答がでる形を目指す。
移民担当大臣は、同様の取り組みは既に近隣諸国で導入されており、国際的な人材獲得競争の中で、スウェーデンの競争力をつけることが必要だとその背景を説明する。
このようなファストトラックができると、私がスウェーデンにやってきた時にもらった「サンボビザ(同棲パートナービザ)」の認可などは後回しされるということだろうか。20年以上前だけど、私が東京のスウェーデン大使館に申請した時は、たったの2週間程度でビザがもらえて、(3ヶ月位かかると聞いていたので)慌てて予定を変更して引っ越してきた経緯がある。
でもこれはスウェーデンで働きたい、住みたいと仕事を見つけたい人には朗報だと思う。
同じ記事には労働移民の最低賃金も26560クローナ(約35万円)に引き上げるとあり、こちらは比較的簡単な仕事の移民を受け入れる場合は給与を引き上げて、受け入れを抑制するということだろうか? 今年は北の方では夏が一ヶ月早くやってくるそうだけど、そう言えばタイから毎年ベリーを摘みに来る季節労働の人たちは、どうなるのだろう?
土曜日に行われたユーロビジョン・ソング・コンテストで、スウェーデンのロレーン(Loreen)が自身で2度めとなる優勝をとげた。彼女のパフォーマンスは素晴らしく、またこれでスウェーデンは合計7回優勝したことになり、アイルランドと並んでトップの座に踊りでた。
来年はABBAが『ワーテルロー』で優勝し、スウェーデンでユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されてから、ちょうど50年の節目の大会ともなり、スウェーデンはお祝いムードでいっぱい、、、のはずなのだけれど、優勝したとたん、語られはじめたのが開催費の問題だ。
前回2016年にスウェーデンでユーロビジョン・ソング・コンテストが行われた際には、公共放送のSVTは1億2500万クローナ(約16億4000万円)をこの大会に費やした。SVTのハンナ・シェールネCEOは「来年のスウェーデンでの開催は、大きな意味があると同時にチャレンジであり、私たちにはこの大会を運営する経験と能力があるが、財政的にサステナブルな方法で行われなければいけない」とインタビューに答えている。
SVTは2025年までに1億クローナ(約13億1500万円)の予算の削減を行うことも決まっているが、いまのところはユーロビジョン・ソング・コンテスト用に追加費用がでるようなことは決まっていない。このコンテストがどの都市で開催されるかもまだ未定だが、SVTはこれからすぐ計画に着手するという。
このロレーンの優勝で、スウェーデンのホテルなど観光業界の雇用者団体Visitasも「非常に喜ばしい!」とコメントを出しており、この団体によると、2016年にストックホルムでユーロビジョン・ソング・コンテストが開催された週に、ホテルの宿泊収入は80%増となり、2013年にマルメで開催された際にはその2倍の160%増という数字になった。さらにはその週の即時的な収入増と同時に、開催都市となることで、長期的な経済効果が望まれるという。
ストックホルム、マルメが近年の開催地なら、あとはヨーテボリとかが順当な感じだけど、私の予想は、最近熱い(私の中でだけかもしれない😅)北極圏に一番近い都市、ウメオだ。きっとこの予想は外れるに違いないけど、さて、どこに決まるのだろうか?
今週のレターは長くなり恐縮です。ここまで読んでいただいてありがとう!
興味がありそうな方にも「北欧通信」をぜひご紹介ください。ニュースレターの転送もご自由に。感想やご意見はこちらのメールに返信していただくことでも、私にダイレクトに届くので、ぜひこの返信機能もお使いください♪ ではまた来週!
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