どこへ向かうスウェーデン
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どこへ向かう、スウェーデン
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死にそうじゃない限り、救急外来には行かないほうがいい
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真冬の電気自動車
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底を打つ
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フィンランド語ニュースが伝える北欧航空業界の未来
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急で、わかりにくい路面凍結の恐怖😱
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人間よりもAIがいい
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年末年始、ブログとニュースレターをお休みします
どこへ向かう、スウェーデン
22日の記者会見でエリザベス・スヴァンテソン財務大臣が行ったのは、スウェーデンは来年から不況に突入し、それは2025年まで続くという見解だ。その前日にはスウェーデン景気経済研究所(Konjunkturinstitutet)も政府と同様の見通しを発表している。
景気後退はこれまでの予想からはやや遅れてやってくるが、その分長引き、好景気に向かう時期は遅れるだろう、と財務大臣は続ける。財務省による発表では2023年のGDPは0.7%減少し、CPIインフレ率は8.9%まで上昇する見込み。同時に失業率は7.8%になるという予想で、これもこれまでの見通しより悪化している。
予想が的中するかどうかはわからないが、ヨーロッパを覆うエネルギー危機、不安定な燃料価格、そして終わらない近隣諸国での戦争と、不確定要素は尽きない。
政府は最低保障年金額、病欠手当、学生へ補助金などは来年増額され、遅れていた電気料金補助金も2月には支払われる予定であることに言及しながらも、この先スウェーデンの経済界、そして各家庭も厳しい状況にさらされるだろうと言う。よいところがあるとすれば、国家財政は健全で、国の借金も少ないという点らしい。
クリスマスに向けて書かれたアフトンボラーデットの社説は、イエス・キリストと、今スウェーデンに暮らす難民、移民の置かれた状況を照らし合わせて、現状を嘆いている。
マタイによる福音書2章は、神から遣わされた天使が夢の中でヨセフに「子どもと母親を連れてエジプトに逃げなさい。そして私が言うまでそこにいなさい。ヘロデがその子を殺そうして探すから」と言ったことを伝える。そして賢者たちに会ったばかりのマリアとヨセフは、生まれたばかりの赤ん坊を連れてベツレヘムから逃げ出し、ヘロデが死ぬまでエジプトに留まった。ローマ教皇フランシスコも、イエス・キリストは今の言葉で言えば「難民」だと表現した。
2014年3月に教皇はスウェーデンの代表団に「住む場所も働く場所も、安心して眠る場所もない兄弟、姉妹に心を開くこと。それがスウェーデンが伝えるメッセージだ」と話した。今、スウェーデン政府が検討しているのは、他国にルーツを持つ人がスウェーデンに住むことを難しくすることであり、スウェーデン民主党は、多くの社会保障制度からスウェーデン国籍を持たない人を排除し、一旦与えた永住許可も取り消すつもりだ、と迫ってくる。
2022年はスウェーデンがGDPの2%を軍事費用にまわす目標を決定し、NATO加盟の申請がなされ、そして、GDPの1%を後進国の援助費用として使うという国家目標も廃止された年となった。社説は、これまで最も平等な国の一つであったスウェーデンは、いまや世界で12番めに不平等な国となり、その格差はアメリカよりも目立っているのだと書いている。そして、公助の国であったスウェーデンは、ますます自助を人々に強いる国になってきていることを嘆く。
クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日だ。そしてその人は、ユダヤ人、難民、そして反逆者であったことを、私たちは今一度考えてみるといいのかもしれない。そしてローマ法王が褒め称えた、寛容だったスウェーデンの今後の行く末も。
このクリスマスの週末、コロナやらインフルエンザやら、路面凍結による事故でのけが人やら、スタッフの人手不足やらで、救急外来の窓口はもう限界ぎりぎりの状態で運営されているので、本当に死にそうにでもない限り、救急外来には来ないで、というか、行かないほうがいいという、病院側の切なる声がニュースになっていた。子どもが発熱したという”だけ”で救急窓口にきても、死にそうではない限り、順番がくるまで待合室で何時間も待たなければいけない事態に陥るかもしれない。
それよりは、スウェーデンには自分で対処法を探したり電話で看護師に相談できたりする1177という医療を担当している自治体が共同で運営している信頼できるサイトがあるので、それを活用してほしい、というのが病院側からのお願いだ。
そうは言われても急に子どもが高熱を出したら心配だとは思うのだが、そういう時もまずは落ちついて1177へ電話相談してみてほしいという。これ、しかし、スウェーデン語や英語ではちょっと伝えにくいって時は、大変だな……。
去年まではみかけなかったRSウィルスのニュースもよく耳にするようになったけど、みなさまも感染症にはくれぐれもお気をつけて。ちょっとでも鼻すすってたり、咳しているような人がいたら、失礼になるとか思わないで、すぐにその人から離れて、ってことですので、このアドバイス、できるだけ実行したほうがよさそう。
God Jul!
先週の金曜日の夜、マイナス10度の気温の中、ちょうどレンタルしていた電気自動車で田舎のパーティー会場にでかける機会があったのだけれど、ちょっと運転しているうちに残りの充電量がみるみる減っていって、帰りの道で電池切れで立ち往生になったらどうしようかと心配するはめに陥った。結局は無事に帰れたのだけれど。
電気自動車がどれくらいの距離を走行できるかは、世界的に統一されたWLTP(Worldwide Harmonised Light Vehicle Test Procedure)という指標に基づいて測定されているそうで、2018年に導入されたこの企画は、異なる電気自動車の車種の間での燃費効率比較を容易にするためにつくられた。
しかし、このWLTPのテストは、走行距離、速度などの規定の他に、外部気温は23度という環境の中で行われるので、真冬の環境下その電気自動車がどれくらい走ることができるのか、各車メーカーや業界団体側から公式に発表されてる数字はなく、消費者たちは自分たちでその情報を集めなければいけないのが現状だ。
スウェーデンの車に関する消費者団体M Sverigeはでは、北欧の真冬の環境下で電気自動車の走行テストを行った結果、いくつかの車種では、走行距離は25%以上も少なくなったという結果になった。このテストをしたときには車のバッテリーは既に温まっている状態だったため、冬の朝などバッテリーが冷え切っている状態から走行すると、損失はさらに大きくなることも予想される。また燃費の損失は車によって14%から26%と大きく異ることもわかった。
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ぐんぐん減っていくメーターを観ながら、充電スタンドなどどこにもなさそうな田舎を真夜中走行するのは結構スリルに満ちていた。こんな時ハイブリッドなら安心とも思ったけど、まぁ、車の性能をきちんを把握して計画して充電していれば、真冬でも電気自動車でも問題はないはずなので、このあたりの情報提供の整備とかもっと進めばと思う。
このような環境下ならガソリン車でもどんどんガソリンが減っていたはずでガソリン代がすごくかさんだと思うのだけれど、電気自動車でよかった点は、車をレンタルした近くのガソリンスタンドでは夜に無料で充電させてくれたので、3日間のレンタル期間中かかった燃料費はゼロだったということ。この寛大な取り計らい、いつまで続くのかよくわからないけど今回は特にありがたかったです。
スウェーデン語には「Nu vänder det!」という表現があって、これは文字通りには「方向がかわった」という意味で、ひいては「物事が好転する」「流れが変わった」と言いたい時に使われる。今朝、スウェーデンの最北部からやってきたニュースには「Nu vänder det. 私たちは明るい時代に向かっている」というタイトルがつけられている。伝えているのは冬至の到来だ。
ウメオでは一年で一番太陽が出ている時間が短かった昨日の日の出時刻は9時27分。日没は13時45分(!)だったが、これが今日には既に1秒、日中の時間が長くなる。そして12月も末になると日中は2分24秒も長くなっている。私たちは今、光あふれる世界へと向かっている。
ストックホルム大学で行われた研究では、スウェーデンの約半数の人が、秋冬の暗さに気分が落ち込む影響を受けているという。そのうち季節性うつ病として治療が必要なほどの人も、人口の2〜4%ほどいると考えられている。
物事は、その渦中にいる時にはどこが底なのかよくわからないが、後から振り返ると、あの時に状況が変わったのかと、あの時が底だったのかと気づくことも多い。ウクライナの戦争もあの時が底だったのだ、あれが折り返し時点だったのだと後からわかるようなことが、既に起きていたりするのかもしれない。暗黒の状況で生きている人たちのもとにも、光が忍び寄ってきていることを心より祈る。
スウェーデンの公共放送であるSVTにはマイノリティであるフィンランド語話者のために、ニュースをフィンランド語で伝える部門がある。そして、そこで放送されているニュースのうちいくつかはスウェーデン語にも訳されている。
今日のニュースはそこで報道されていたものだが、パンデミックの影響で減った航空需要を反映して、3年前まではスウェーデンとフィンランドの間で8便飛んでいた両国の都市間の直行便が現在では5路線に減ってしまったというもの。この間になくなってしまったのはストックホルムとフィンランドのヴァーサ、タンペレ、オウルとの航路で、全体では3年前は月に8路線1113便あった両国間の直行便は、5路線745便まで減ってしまった。
残った航路にはノルウェージャンなども参入しているが、大半はSASとフィンエアーによる運営で、ニュースはこの両社とも経営状態がよくないことも伝えている。SASの業績が危機的というのはこのブログでも何度か取り上げているが、フィンエアーの方はアジア行き便にあんなに力をいれていたのに、そちらの客足がまったく回復していないからだ。
さて、このニュース、フィンランド語でのナレーションにスウェーデン語の字幕がついた動画で説明されているのだけど、私の脳がどうやらこれまでは体験したことのない領域に達したらしく、頭が熱くなってきました😅
感染症やら急な停電の可能性でこの冬はできるだけ家にいたほうがいいのではないか、と少し前に書いたけれど、昨日はまたルンド近辺で、警察が「用事のない人は家から出ないで」と呼びかけをする事態になっていた。
先週スウェーデン全体を覆っていた強い寒波が緩んで、雪が溶け出したタイミングで再び急激に気温が下がり、ルンドやマルメの至るところで街路の表面が凍結。解凍のための塩撒きも間に合わず、転んで怪我をする人が続出し、大学病院の整形外科や救急受付がごった返した。
車両事故も頻発し、上述の通り、警察が家からでるなとコメントする事態になった。急激に張った薄い氷は、見た目には凍っていることがわからない状態だったことが、事故が多発する原因になったようだ。
一気に道が凍ったのはスコーネ地方だけではないようで、ダルスランド地方でも午後からの急激な凍結のため、バスがすべて運休になったとニュースは伝える。
幸いにもこのあたりでは、既に今朝の気温は5時台でも5度くらいまで上がってきており、もう路面凍結で、転倒したり衝突したりする危険性はなさそう。そう言えば去年だったか、氷で滑って滑って道を歩けないご近所の人たちを撮影した爆笑ものの動画をみたけど、こういうのどうやったらもう一回見れるのかな? ツイッターだったかな?
数年前まではAIと呼ばれていたものが、今では普通のものになってしまい、私たちはスマホや検索エンジン、SNSのおすすめ機能など、あらゆる場面で日常的にAIに接している。
この度、スウェーデンに住む16歳から70歳までの1000人を対象にルンド大学や、企業庁、ポストノード(郵便事業者)などが共同で行ったアンケート調査では、半数近い46%の人が「人間よりも、AIのカスタマーサービスやチャットボットのほうがいい」と答えた。これまで実験的に取り入れられていたAIによるカスタマーサービスは、これから通常の対応として定着していきそうだ。
スウェーデンはEU内でも、最もAIに積極的な国の一つで、AIのカスタマーサービスにも高い信頼性を持っており、またアンケートの回答者の7割に当たる人がAIは病気の診断に利用できると考えていることもわかった。実際に医療面でAIで対応できることは非常に多いと考えられており、その一つにマンモグラフィー検診などがある。
しかし、アンケートでは同時に46%の人が「AIが間違った判断をするのではないか」との懸念も持っており、さらに43%の人がこの先「真実と偽りの情報を区別することが難しくなる」だろうとも考えていることも明らかになった。これまでよく言われてきたような「AIに仕事を奪われる、AIが人間よりも賢くなる」という心配をしている人はそれほどないが、AIの判断や意思決定が間違ってしまうことを心配する人は多い。
私がカスタマーサービスに連絡ととりたい時は、AIによる対応だけではだめで、だいたい人と話さなければ解決できないことばかりなので、ボットの対応を最後まで待って「カスタマーサービスと話す」オプションにたどりつくまでの時間がちょっといらいらするけど、たしかに対応する側は、その時には私の案件に関する一通りの情報は既にもっているので、このハイブリッドなやり方は効率がいいのかもしれない。
問題は、スウェーデンでは回答を番号で選択するもの以外にも、音声認識を使って声で回答させるものも結構多いので、私のスウェーデン語を理解できないバカなボット(はい、大きくでました。私の発音が悪いのでなく、音声認識の性能が悪いのだ😅)が多いってことかな。
いつもご購読いただきありがとうございます。
これまで、今日のニュースレターを含めて、1600日毎日連続投稿を続けてきたswelogですが、今回ブログを開始してから初めて休暇をとることにしました。明日から2023年1月8日まで、ブログとニュースレターの更新はお休みし、皆さまとはまた1月9日にブログでお会いできればと思います。
その時にはなにか、新しい構想が固まっているかもしれない(が、固まっていないかもしれない😅)
今年も私のニュースのつぶやきにお付き合いいただき、ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。世界に平和を。
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