今週のブログ 2022.3.14〜19

今週はこの一週間のブログ記事を、このニュースレターでも全文お送りします。
ブロムベリひろみ 2022.03.20
誰でも
2022.3.19
2022.3.19

最も多い予想では、ウクライナからの難民は21万人となっていたスウェーデン移民庁の予想シナリオだが、昨日の記者会見では、可能性の最も高いシナリオとして、今年の前半で7万6千人、その対応にかかる予算は100億クローナ(約1300億円)と発表されていた。

記者会見によると、現在移民庁では一日あたり2000人の申請受付が可能で、これまでに1万4千人が登録された。来週の月曜日からは、ネットでの登録が可能になる見込みで各地の移民庁前の長い行列はこれで解消される予定だそう。

このデジタル登録への素早い対応を素直に褒め称えたいところだが、今朝は、他に「パスポートの更新や新規発行に時間がかかりすぎていて、腹を立てた人たちがパスポートの発行作業を担当している警察を国会オンブズマンに訴えた」というのがニュースになっておりましたので、こちらも一緒にお伝えしておきます😅

地域によっても異なるが、今警察でパスポート申請のための予約をしようとすると、8月まで予約が取れないところもあるそうで、すぐの予約時間を400クローナ程度で譲り渡してくれる闇のサービスまで出てきているそう。こんなに待たされるのであれば、確かにこれは腹が立ちそうだな。

2022.3.18
2022.3.18

伝えられていたように、毎週木曜日開催予定のスウェーデン国防軍の定例記者会見が昨日も実施された。

迷彩軍服姿で会見を行うミカエル・クラエッソン軍備責任者は、スウェーデンが武力攻撃を受ける可能性は否定できないが、スウェーデンの治安状況への危機レベルは先週と比べて変わらないとの報告を行った。

スウェーデン軍はこれからも冷静にあらゆる事象に対応できる体制を整えることが強調され、議会でまもなく可決される予定の30億クローナの新予算で、燃料、物資、食料、医薬品など軍のレジリエンスを高めるための物資購入が行われる予定であることも伝えられた。

記者会見では「もしもスウェーデンへの侵攻があった場合にも、国を守ることができる体制は既に整っている」ことも伝えられたのだけれど、迷彩軍服の人からこう言われたら、安心するよりも心配してしまう。

そして、ウクライナでの戦争がいつ終わるかはわからないけれど、スウェーデンの悪化した安全保障状態は長く続くと覚悟しておく必要があるそうだ……

2022.3.17
2022.3.17

日曜日のニュースレター「軍備増強と徴兵制強化」で「総力防衛」ついて書いたが、その国をあげての総力防衛の中での様々な組織や人々の役割について、総力防衛力研究所(そんな機関があったのか!)のアナリストのジェシカ・アッペルグレンさんが説明していた。

それによると、スウェーデンでは16歳から70歳までのすべての男女に総力防衛に関わる義務がある。この点でスウェーデンは特出しているそうで、性別に関係なく防衛参加義務があるのは、北欧では他にノルウェーだけで、フィンランドでも今同様の仕組みへの変更が議論されている程度なのだそう。

そして、総力防衛は3つの柱から構成されており、まずその1つ目が「兵役義務(Värnplikt)」で、これはこれまでに「ルンペン(詳しくは上記ニュースレターをご参照ください)」と呼ばれる短期兵役で、基礎的な訓練を受けた人が必要に応じての軍備配置されるというもの。

そして今は具体的な活動は行われていないが、定義としてあるのが「民生義務(Civilplikt)」で、こちらは爆薬処理や消防活動などできる人が、事態に備えてその能力を訓練しておく、というもの。

そして最後が、それ以外の人への「一般勤労義務(tjänstplikt)」。これは政府が緊急事態時に発令できるもので、コミューンを含む各種行政や自治体で働く人、また他の重要な組織で働く人は、勤労義務の元では、社会に必要な活動を行い続ける義務がある。

それ以外の一般の市民も普段からの仕事や勉強を続けることが基本(例えばスーパーで働く人は、国民に食料を行き渡らせるように働き続けるというようなこと)だが、人手が足りない場合には(例えば職業安定庁で人員が不足した場合など)他の仕事に駆り出される場合もある。しかし、これまでルンペンにも行っていない、軍事訓練を受けていない人が武力活動に参加を求められることはないそうだ。

しかし、働き続けよということは、難民となって国外に逃げてはいけないということなのか?

兵役以外の民生義務や勤労義務に関しては、こんなアニメ動画でも説明されていた。『スウェーデンは一丸となって 総力防衛について』

私の夫は「もう50歳超えてるし、戦争になっても軍隊に呼び出されることはない」と勝手に考えていたようだが、おい、これによると70歳までのようですが? ルンペンではレーダー担当でレーダー探知車両を運転していたと聞いたけど、この人、いまではWifiの接続でさえ私任せだし、使いものにならないと思うので兵役義務に呼び出さないでもらうわけにはいかないだろうか?

2022.3.16
2022.3.16

日曜日にマルメの駅を通りかかったら、そこには移民庁の案内窓口ができていたが、電車でやってくるウクライナからの難民の人はほとんどいないのか、3人いた職員の前には難民の姿はなかった。

しかし今、各都市の移民庁の受付の列は長くなる一方で、昨日は、(受け入れがすぐにできるように)なぜ準備しておかなかったのだ、と責められている移民庁関係者の弁明もラジオのニュースで耳にした。ストックホルムの移民庁前では並んで数日たつ人もいるそうだ

今日取り上げたニュースでは、ヨーテボリの自治体が、ウクライナからの子どもたちがすぐに学校での勉強を始めることができるように準備していることが伝えられていた。考えられている規模はこれから数ヶ月で最大2万人で、学校担当局側で人員配置を行い、すぐにでも始める最初の学校での受け入れ体制が整いつつあるところだそう。今の所、5千人から7千人の子どもの公立学校でも受け入れの目処がたちつつあり、これからはフリースクールにも受け入れを要請していくことになる。

第二次世界大戦の時には、フィンランドから7万人を超える子どもたちがスウェーデンに逃げてきて、スウェーデン語にはその子どもたちのことを指す「フィンランドの戦争の子どもたち(Finksa Krigsbarn)」という言葉もある。戦争が終わってもそのままスウェーデンに残った子どもたちも多かった。

今回は子どもたちの多くは、お母さんと一緒に逃げてきているようだが、この先こういう形のウクライナからの母子を指す言葉が、また誕生するのかもしれない。

2022.3.15
2022.3.15

今回の戦争が始まるまでゼレンスキー大統領の名前は知らなかったけれど、ゼレンスキーの前、2014年から2019年までウクライナの大統領だったポロシェンコの名前は知っていた。たぶん、彼が石炭売却に関連するスキャンダルで反逆罪で起訴され、国外に逃亡するという一連のニュースを所々で耳にしていたからだと思う。

今は市民防衛隊のひとりとしてキエフで戦っているポロシェンコが、SVTのインタビューで、ウクライナはもっと武器が必要だと訴えていた。

ウクライナに武器を送ることでロシアを必要以上に刺激して、戦争が激化し、NATOとロシアの直接対立や、ひいては第三次世界大戦につながる恐れがあるとは思わないのか、という質問には、武器をもらっても戦うのがウクライナ兵であれば、そのような恐れはないと彼は答えている。

ポーランドから戦闘機を手にいれても、ウクライナのパイロットが戦うので大丈夫だととポロシェンコは言うのだが、その論理は果たしてプーチンも通用するのだろうか?

ポロシェンコは、スウェーデンとスウェーデン政府の支援に感謝すると言い、スウェーデンには特に「カールグスタフ」という、歩兵が使う、軽量だが破壊力の高い無反動砲を送ってくれとリクエストしていた。

カール・グスタフはこちらのページによると日本の自衛隊をはじめ、多くの国で採用されている優れた武器のよう。スウェーデンはこつこつと技術を磨くことに長けた技術大国だとは知っていたけど、これまでは有名な武器の名前までは知らなかった。こうしてあんまり持ちたくはない、こんな知識がどんどん増えていく。

2022.3.14
2022.3.14

ロシアがウクライナへ侵攻を初めてすぐに、戦争についての子どもからの質問に答えるチャットを開設する取り組みについてこのブログでも紹介した、スウェーデン公共放送SVTの子ども向けニュース「Lilla Aktuallet」。

今日はその「Lilla Aktuellt」が「情報信憑性の日」を記念した賞を受賞したというニュースについて。

昨日の3月13日は「情報の信憑性記念日(Källkritikens dag) 」で、スウェーデンのインターネット財団情報信憑性ビューローが「金の虫眼鏡賞」と名付けられた賞を、情報の信憑性や、情報源に対して批判的な態度をとる取り組みに貢献した個人や組織を表彰している。

今回「子どもニュース」は「この情報の信憑性を確認することが困難な時代に、確かな方法と安定した視点で子どもたちを導き」、「知識だけでなく、理解や批判的な態度を持つためのツールも提供してくれる」点が評価され受賞したもの。

「金の虫眼鏡賞」は2017年に設立され、今年の授賞式は今日行われる予定だ。

スウェーデンでの教育について書かれているものを読むと、よくこの「批判的な視点を持つ」ことの重要性への言及に気がつく。素直に人の言うことをきくのがよい、となんとなく考えてた私の子ども時代とはえらい違いである。

***

先週のスウェ推しで予告編を紹介した『Lamm/Lamb/子羊』を月曜日に観に行ってきました。映画はホラー、というよりもちょっと風変わりな映画、といったほうが多分ふさわしく、恐いのが苦手なひとでもきっと大丈夫だと思います。

乾いたユーモアもあちこちにあるし、出演する俳優はほんの数人だったものの、ラパス以外の人たちもみんなよかったです。羊の演技を堪能したい人(?)にもおすすめです。恐いのは羊じゃなくて、やっぱり人間だったけど。

***

では、また来週!

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