スウェーデンのカルバアドヒュース・ベスト10

長引くコロナ生活で、私のカルバアドヒュース・寒冷浴場活動(人呼んで「カル活」😅)も長らく封印されていましたが、今週はあちこちで「コロナ生活から緩やかに移行していく私たち」の潮流を感じる機会がありました。夏には私もカル活再開できるのでは😍? ということで、今週は少し趣向を変えて、今のスウェーデンのトップ10・カルバアドヒュースを紹介します。
ブロムベリひろみ 2021.05.30
誰でも

今週のテーマ・スウェーデンのカルバアドヒュース・ベスト10

こちらはヘルシンボリのKallisのサウナ室からの眺め

こちらはヘルシンボリのKallisのサウナ室からの眺め

というわけでジャジャーン♪、今週はスウェーデンのカルバアドヒュースのベスト10をご紹介するわけですが、急にカルバアドヒュースと言われても? という方は、まずはこちらの記事からどうぞ。

もっと動画でわかりやすくという方には、マルメのRibersborgのカルバアドヒュース紹介のこんなビデオはいかがでしょうか👇(全裸のピップスターの兄ちゃんがでてきますので、そこんとこ、よろしく😉)

上でリンクを張った記事の中でも書きましたが、カルバアドヒュースとは日本語にすると寒冷浴場。

そのスウェーデンの冷たい水の魅力が凝縮されているのが「カルバアドヒュース(Kallbadhus)」という施設だ。「カルバアドヒュース(Kallbadhus)」とはスウェーデン語で「冷たい(カル)浴場の(バアド)家(ヒュース)」という意味で、平たく言うと、海岸や湖畔で水上に突き出すように建っているサウナハウスのこと。

20年前に私が通いはじめた時は、高齢の常連さんとロシア人と私? というくらいでそんなに混んでいなかったし、利用者の年齢層も高めだったのですが、ここ数年はとくに若い世代に人気。新しい施設もできてきたりもしています。

寒冷浴場の多くは地元の愛好家が組合形式で運営していたり、スパホテルに併設されていたりしますが、一般に広く公開されているものも多い。今回はその中からスウェーデン各地の10施設ご紹介します。

1. Kallbadhuset Karlshamn, Karlshamn

 現時点ではコロナによる自主規制で閉まっていますが、今私が一番行きたいカルバアドヒュースがカールスハムンにあるこちらの寒冷浴場。

長い海岸を持つブレーキンゲ地方のカールスハムンには昔からカルバアドヒュースが多く点在していたそうですが、こちらは2015年に新しくスタイリッシュな北欧デザインで建てられたもの。上の動画では設計を担当したWhite Arkitekterがそのコンセプトを説明しています。今週のニュース部分でも書いたように、スウェーデンではこれから夏にかけてコロナによる行動規制などが解除されてくる予定なので、ここが営業を再開したら、今年の夏はぜひこちらを訪れてみたいと思っています。

今回のカルバアドヒュース・ベスト10は、スウェーデンの人気の旅行雑誌Vagabondが今年の頭に選出したものを紹介しています。1から10と番号はついていますが、これは順位ではないようで、10のよいものを選出した、程度の意味で読み進めていただければと思います。
Sveriges 10 bästa kallbadhus

こちらのカルバアドヒュースの詳しい情報はこちらから http://kallbad.com/

2. Kallbadhuset Varberg, Varberg

各地に数あるカルバアドヒュースの中でも最も特徴のある建物と言えば、こちらのヴァーベリのものでしょう。19世紀半ばから歴史ある海沿いの保養地として名高く、立派なスパホテルも何軒かあるヴァーベリですが、このカルバアドヒュースは最初は1903年に建てられたもの。現在の建物はそれを1990年代に改修し、リニューアルオープンしたものです。

ここではこのすてきな建物とサウナ、そして寒冷浴をたったの75クローナで楽しむことができます。中にはいい感じにノスタルジックなカフェもあり、私の住むルンドからは電車でも車でも2時間くらいかかるのですが、機会があればいつでも訪れたい、超おすすめのカルバアドヒュースがこちら。

ヴァーベリには、日本の温泉コンセプトも取り入れたこちらも歴史あるすてきなスパホテルも街中にあるので、行くのなら宿泊はこのホテルがおすすめです。

こちらのカルバアドヒュースの詳しい情報はこちらから  http://www.kallbadhuset.se/

3. Ulricehamns Kallbadhus, Ulricehamn

スウェーデンの中西部の街、ウルリスハムンのカルバアドヒュースの一番の特徴は、建っているのが海岸ではなくて湖岸であること。建物ができたのは2008年と比較的新しいですが、このあたりに最初に寒冷浴場ができたのは1871年と、やはり150年の伝統を誇ります。建物の2階には、マッサージやフェイシャルなどを開放感いっぱいの空間で受けることのできるスパ施設が併設されています。

私が訪れた時には女性用エリアは他に誰もいなくて、借り切り状態でした

私が訪れた時には女性用エリアは他に誰もいなくて、借り切り状態でした

こちらのカルバアドヒュースの詳しい情報はこちらからhttp://www.ulricehamnskallbad.se/

4. Kallbadhuset Båstad, Båstad

スコーネ地方北西部にあり、夏のテニス大会でも有名な夏の保養地、日本でいえばちょっと軽井沢のような雰囲気を持った街ボースタにあるのが、こちらのカルバアドヒュース。施設はホテルに併設されていますが、泊まらなくてもカルバアドヒュースと他のスパ施設だけの利用も可能です。

19世紀には医者がカルバアドを処方していたそうで、その頃には桟橋もなく、馬車が簡単な小屋を遠浅の沖までひいていった先で沐浴する人たちの写真がボースタには残っています。

こちらの施設は2008年に建てられたもので、海側には大きなテラスも設けられており、そこにはジャグジーもあります。あまりに快適で結構混んでてちょっとセレブ臭が漂うところが私の心には響きませんでしたが、立地は申し分なく設備もいいので、空いてて静かに使えるんならまた行ってみたいな、と思います。

こちらのカルバアドヒュースの詳しい情報はこちらからhttps://hotelskansen.se/spa/kallbadhuset/

5. Bjerreds Saltsjöbad, Bjärred

長過ぎる桟橋の先の建物がみえるかな?

長過ぎる桟橋の先の建物がみえるかな?

あまりにも長すぎるので、途中休憩するベンチまで設けられているスウェーデンで最長の574メートルの桟橋を渡った先に建っているのが、こちらのべェーレッドのカルバアドヒュースです。真冬などは桟橋に吹きつける風のあまりの強さと冷たさとに、私なんでこんな修行のようなことやってんだっけ? と思ってしまうほどですが、たどり着いた先のカルバアドヒュースのすてきなこと。

ベェーレッドにカルバアドヒュースができたのは1901年で、その頃にはダンスホールやホテルまであってこのあたりはとても賑わったそうですが、現在のビェーレッドは落ち着いた郊外の住宅地。今の北欧モダンなシンプルなカルバアドヒュースが建設されたのは2004年で、カフェ・レストランも併設されていますが、サウナと寒冷浴サイドは比較的こじんまりとしていて、海水浴客で賑わう真夏以外は、私にはいつでも「禅」を感じさせるここちよい空間。今はコロナで休業していますが、その期間を利用して? サウナ室や桟橋の改修が進められているようです。

桟橋とカルバアドヒュースを疑似体験できるすごい動画を見つけたので、ぜひみてみてください。

こちらのカルバアドヒュースの詳しい情報はこちらから https://www.bjerredssaltsjobad.se/sv

6. Ribersborgs Kallbadhus, Malmö

スウェーデンのカルバアドヒュースを語る時にこのマルメの施設が抜け落ちるなんてありえない。多くのカルバアド愛好家にとって、カルバアドと言えばこちらの有名なマルメの施設を意味し、「リッバン(Ribban)」「カリス(Kallis)」といくつもの愛称を持つことでも知られています。このテーマ記事の最初でカルバアドのサンプルにとリンクを紹介した動画もこちらの施設。併設のカフェ・レストランはカルバアドを利用しなくても飲食できて、ここにランチやフィーカでのみ訪れる人も多くて、いつもよく賑わっています(コロナ前の話ですが)。

施設は大型で、男女それぞれ薪ストーブと電気ストーブの大きめのサウナ室があって、真ん中には共用のミストサウナもあります。リッバン(と私は呼んでいます)の魅力はなんといってもその日常の中の非日常性。マルメの街中にも近く、リッバンからは近くのヴェストラハムネン新興住宅地区やそこにあるマルメのランドマーク的存在のターニング・トルソも、デンマークとの間にかかるエレスンド大橋もよく見えます。

その見慣れた景色を、サウナ室に大きく取られた窓から素っ裸でぼーっと眺めたり、そのままスッポンポンで外に広がる海に飛び込んだりするところを私は気にいっているようです。夏は(私はあまり行かないのですが)施設内の広いテラスデッキにずらーっと様々な姿形の裸体が並んでいるのをみるのもなかなかの光景だったりします。(って、私ったら何を説明しているのでしょうか😅)

ともかくここを抜きにしてスウェーデンのカルバアド文化は語れません。リッバンの歴史的な話もとてもおもしろいので、また別の機会にゆっくり書いてみたいなと思います。

こちらのカルバアドヒュースの詳しい情報はこちらから https://www.ribersborgskallbadhus.se/sv

7. Kallis, Helsingborg

Kallisのテラスから対岸のデンマークのヘルシンゴーの街とそこを行き交うフェリーをのんびり眺めたり

Kallisのテラスから対岸のデンマークのヘルシンゴーの街とそこを行き交うフェリーをのんびり眺めたり

さて、ベスト10のうち残りの3つは私には少し縁が薄いので、文章で説明するのはこのヘルシンボリのKallis(カリス)で最後にしようと思いますが、コロナがやってくるまで、私が最近一番よく通っていたのがこちらのカルバアドヒュースです。

今住んでいるルンドの街が気に入っている私ですが、もしも引っ越すとしたら住んでみたい街ナンバーワンのヘルシンボリ。その魅力をお伝えする機会がまた別にあればと思いますが、ヘルシンボリはここ数年「スウェーデンのカルバアド文化のメッカ」であると自らを位置づけており、ヘルシンボリ市が2月にカルバアド週間というイベントを主催しているということだけでも😍な街です。

コロナ禍直前、2020年の2月の開催されたカルバアドウィークで配られた参加証とパンフレット

コロナ禍直前、2020年の2月の開催されたカルバアドウィークで配られた参加証とパンフレット

ヘルシンボリにはいくつものすてきなカルバアドヒュースがありますが、中でもKallisは一番中心地にも近くお手頃な立地。部屋全体がほぼガラス張りという開放感あふれるサウナ室の中の静けさと、エレスンド海峡の強風でいつもちょっと波打っている海水のコントラストがカルバアド魂を奮い立たせる施設で😊、市営のせいか使用料金も安めです(70クローナ)。

そのわりには朝一番とかに行くと今のところはいつも空いているのも👍。 私がマルメのリッバンにあまり行かなくなったのは、最近はいつ行っても混んでいるからなのです。涙。

こちらのカルバアドヒュースの詳しい情報はこちらから https://helsingborg.se/uppleva-och-gora/kallbadhus/kallis-helsingborgs-kallbadhus/

8. Saltisbadet, Stockholm

そして簡単な説明になりますが、最後に残った3つのうち、こちらはストックホルム近郊では外せない寒冷浴場で、カルバアド関連の資料や記事を読んでいるとよく出てきます。残念ながらまた訪れたことがないので、こちらも冒頭のカールスハムンのカルバアドと同様、この夏の課題としたいと思っています。

9. Nynäs Havsbad, Nynäshamn

ストックホルム群島南端のニーネースにあるこのカルバアドは、大きなスパホテルに併設のもののようです。ちょっと施設が私の好みには近代的(?)すぎるような気もしますが、Vagabondが勧めているのなら一度行ってみてもいいかな?

10. Arctic Bath, Harads

こちらは以前も記事にしたほど、気になっている極北にあるホテル。

ふむ、来シーズン(もちろん真冬のことです)に向けて予約するかな?

10の施設をサクサクとご紹介しようと思ったのですが、それでもなんだか結構長くなってしまいました。すみません! 今の緊急事態下の日本の状況とか考えると、旅行の計画とかちょっと現実離れしているかもしれませんが、なんだか人との接触や移動ということにこれまでずっと慎重だった私ですら、自分でも知らないうちに考え方が変わってきているようです。

***

以下はカルバアドヒュースから離れて、今週、ブログで取り上げた記事の紹介です。

***

2021年5月24日〜5月29日のニュース

今週取り上げたニュースでは、一読しただけでは、ええっと、なんのこといってるのかわからない! というものが目立ちました。「データ恥」はブロックチェーンに代表される高度なデータ処理技術や、数々のクラウドやストリーミングなどのサービスで消費されるエネルギー量の気候危機へ与える影響が問題となってきていることを扱ったニュースで、またアーティストにデジタルの世界でも鑑定書を与えられる「NFT・非代替性トークン」技術も同じブロックチェーン系の技術が関わってくるので、いきつく先は同じか? という話でした。

上場しているが業績の落ちたファッション企業を買収したあとで、買収した側がもともとやっていたビジネスである不動産業へと会社の事業内容をすっかり変えてしまうというやり方で、面倒な上場の手続きを取ることなく株式上場企業としての看板を手に入れる新しい手法が現れてきていることを扱ったニュースには、なんとやくイヤなものを感じましたが、このトレンドはもしかしたらこの先、もっと顕著になってくるかもしれません。

スウェーデンっぽいなと思ったのは、一つの地方では以前難民受け入れ用に建てられた住宅が国の費用で惜しみなく解体され、一方新興のグリーンエネルギー産業で沸く別の地方では、急ピッチで新しい住宅の建設が進んでいるというニュース。日本の空き家問題のことも、思わず考えずにはいられない話題でした。

ファスト・ファッションという言葉は定着したけど、今はそのビジネルモデル自体を懐疑的に考える人が増えていると思いますが、ここででてきたのが「ファスト・アート」。トレンドを解析してすばやくポスターなどのアート作品をつくりあげることで成功しているスウェーデンの会社に関する記事ですが、この会社はネットフリックスのTVシリーズの作り方を参考にしたのだとか。こちらはファスト・エンターテイメントですかね?

そして今週取り上げた最後のニュースは、また驚愕のヤツがデンマークから。

もう表題だけで十分伝わっているような気もするけれど、それ以外にもこのニュースが内包する「報道する側と取材対象者の関係はどうあるべきか」という問題からは、なんだか日本の政治家と一緒にパンケーキ食べてた政治記者たちのことまで思い出したりして。センセーショナルな中にも、奥深い視点も含まれていたのか、このニュース!

こんな感じで、swelog weekendでは、毎日更新しているブログで取り上げたニュース記事を一週間分まとめてメールでお送りしています。おもしろそうと思っていただければ、ぜひ無料の購読者登録をどうぞ👇

では、今週はこんなところで! 来週もよい1週間をお過ごしください👋

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