イングマール・ベリマンの戦争映画

イングマール・ベリマンが唯一社会問題を扱おうとした映画で、また戦争の恐ろしさを戦闘や爆撃のシーンでも表現した彼の作品の中でも異色の『(ベルイマン監督の)恥』が、ウクライナの戦争の影響か、ルンドの映画館で上映されていたので観てきた
ブロムベリひろみ 2022.07.17
誰でも

  • イングマール・ベリマンの戦争映画

  • 拍車のかかるカーボンバブルはいつ崩壊する?

  • H&Mが投資するネット中古衣料売買代行のSellpyはどこまで伸びるか

  • 3Dプリンターの自家製銃器と「安全な社会」

  • 泳げない子は誰?

  • スウェーデンでも伸びるフェムテック(といけてない従来診療)

  • 「正気を失ったパイロット」と「非礼なSAS」。乗客への補償は不明

イングマール・ベリマンの戦争映画

イングマール・ベリマンの『恥(Skammen)』は1968年公開の映画で、マックス・フォン・シドーとリブ・ウルマンが政情不安の内戦状態の中、都会での音楽家としての仕事を失ったため島に移り住み、農業で生計を立てている夫婦を演じている。

映画は、それまで人間の内面の問題ばかり取り扱い、激変する社会問題には目を背けていると批判されていたベリマンが、ベトナム戦争を下敷きとしてスウェーデン語を話す人たちによりスウェーデンの島を舞台として展開したものだが、ウクライナでの戦争や、近年小さなボートで命がけで海を渡ってくる難民たちのニュースに触れている私は、そのテーマの今日性に驚くことになった。

(この予告編はほとんどセリフもないのでぜひどうぞ)

映画は、どうして内戦となっているのかなど詳しいことを説明しないが、内戦で人々が殺し合うような不条理さはよく表されているし、また戦争のような極限状態に置かれた時、人間としてどう行動するのか、できるかの? という私の最も恐れているテーマを扱っていて考えさせる。

この映画は、ベリマン自身はそのできをあまり気にいっていなかったようだが、ワタシ的にはうーんと唸る作品だった。ベリマンは、この作品では戦争の持つ集団のまた個人としての暴力をストレートに描きたかったが、自分には戦争を表現する力量がなかったこと、また、脚本が練りきれていないことに気がついておらず、導入部が長すぎたと著作の中で語っている。この作品は白黒映画だが、リブ・ウルマンとマックス・フォン・シドーが着ているものもまた、なかなか今日的なおしゃれさでそれも私的には楽しめた。

ベリマンの映画をみていると、時々「え、そんなこと言う?」と驚くようなことをさらっと口にする登場人物が出てくるが、今回も戦争で身に危険が迫っているとは言え、夫であるマックス・フォン・シドーの目の前でその妻のリブ・ウルマンに向かって「抱きしめてほしい」と懇願する知人の市長(ベリマンの作品の常連のグンナー・ビョルクストランド)がでてきたりする。

ベリマン自身は脚本の構成が練りきれていないと不満だったようだが、印象的なセリフはいくつもあって、その中のリブ・ウルマン演じるエヴァのセリフをひとつ紹介して今日は終わりにしよう。日本では公開時に劇場公開されなかったこの映画は今は(ストリーミング?で)日本でも結構見ている人が多いみたいなので、よかったら探してみてください。スウェーデンではSF Anytimeなどで見ることができるし、図書館にDVDもあるかも?

すべてが夢なんじゃないかと時々思う。でもそれは私の夢じゃなくて、誰か他の人の夢なのにそこにいることを強いられている。その人が目を覚まして自分を恥じたら、どうなると思う?Ibland är det som alltihopa är en dröm. Det är inte min dröm, det är någon annans, som jag måste vara med i. Hur tror du det går när den som drömt oss vaknar och skäms över sig?
https://www.ingmarbergman.se/verk/skammen

よかったら英語の字幕付きのこの映画についてのベリマンのインタビュー動画もどうぞ。ナチスのことを知ってから、ベリマンも人間として正しく行動できるか? について考え続けていたことや、この映画では音楽を採用していないことなどについても語っています。

この200年間、人類は石油やガスなどの化石燃料に基づく産業の枠組みを作り続けてきたが、気候危機によりこの先10年で排出量を50%削減することが求められている。

同時にウクライナでの戦争によりロシアの所有する化石燃料への依存度を抑えるため、原油価格が高騰し、エネルギー企業が再び大きな利益をあげており、新たな天然ガスや石油の採掘計画が進められようとしている。Rystad Energyによると世界の大手石油・ガス企業20社はこれから8年間で新規のガスや油田の開発に932億ドル以上の資金を投じる計画だと分析している。アメリカのバイデン大統領はこれまで政治的に距離をとっていたサウジアラビアに行き、もっと石油を掘ってくれるように頼んだ…‥

エネルギー企業が所有する将来的には座礁資産となるだろうと考えられている燃料の採掘や抽出にさらなる資金が集められており、今「カーボンバブル」は一層膨れ上がっている。

実際、脱炭素で「カーボン・バブル」がはじければ、化石燃料など最大2000兆円もの「座礁資産」が発生しかねない。「市場の失敗」による潜在リスクは08年のリーマン危機を大きく超え、金融システムの次なる試練となる。

カーボンバブルの考え方を10年前に表したイギリスの金融シンクタンク、カーボントラッカーのマーク・カンパナーレは「温暖化を1.5度以内に抑えるためには今埋蔵されている全化石資源の9割はそのまま地中に残されたままでなければいけない」という。

しかしこの埋蔵量は113兆ドルの価値があると考えられており、これが今でもエネルギー企業への資金が集まり続けている理由だが、このバブルは今後の政治における決定で一気に崩壊する可能性がある。

イギリスではすでに、自由民主党から化石燃料会社のロンドン株式市場の上場を認めないとか、石油、石炭、ガスの新規プロジェクトに融資する債権を禁止するなどといった提案もでている。このような規制が現実のものになるとカーボンバブルは弾けるだろうし、また再生エネルギーの技術開発が飛躍的に成長すれば、今化石燃料に集まっている資金のバブルが一挙に崩壊する可能性もある。

……とここまで書いてきた内容はダーゲンス・ニュヘテルのロンドン特派員で、何冊もの優れたフェミニスト視線の優れた経済書を出版しているカトリーン・マルサルによる木曜日に出された解説記事に沿っている。

記事はマーク・カンパナーレの「2億人のユーザーを抱えるNetflixは20万人のユーザーを失っただけで株価が40%も急落した。この先シェルの株主の5%が株を売れば、株価は50%下がるだろう」という恐ろしい発言で締めくくられていた。

コロナに戦争にインフレに、それからこの先リーマンショックの比じゃないくらいの金融危機が待っているということか…… まずは、今日は。そろそろシーズンが終わりかけてきたおいしいイチゴを買って楽しむとするかな。

2014年に設立されたSellpyはこれまでに1000万の中古品を販売した

家にある着なくなった服を詰めて送るだけで、その後の面倒な売買に関わるやり取りの一切をやってくれるサービスSellpy(セルピー)が伸びている。

2014年にスウェーデンで設立されたSellpyは2021年5月にそれまでスウェーデン、ドイツ、オランダ、オーストリアで提供されていた別々のプラットフォームを統合して、新たに20ヶ国の市場でも提供を開始。セカンドハンド品の売ると買うの両方でのサービスを提供して、急速に新たな顧客を獲得している。

Sellpyに服などを送ると、その後はその服の写真撮影からサイトへの登録、そして売り手がついた場合の商品の送付と売上の回収まで、面倒なことはすべてSellpyがやってくれる。

利用を申し込むとこんなSellpy袋が送られてきてあとは不要な服などを詰めて送るだけ

最新の2021年11月30日までの会計年度ではSellpyの売上高は4億300万クローナ(約53億円)とその前期の2億3200万クローナ(約30億円)と比較して急増した。一方で営業損失も3200万クローナから3690万クローナ(約4億8500万円)へと微増しており、Sellpyは設立から一度の黒字化していない。

Brekitの記事によると、このSellpyの筆頭株主はH&Mで78%を所有。H&Mはこれまでに合計3億クローナ程度(約40億円)の資金をSellpyに投入したと言われているが、Sellpyは詳細を明らかにしていない。ただ黒字化しない場合、ポーランドに大型倉庫を建設するなどアグレッシブな展開を続けるSellpyは今後もさらなる資金の投入が必要になる。

経済紙のダーゲンス・インダストリ(DI)のサステナブル編集部が、Sellpyの倉庫のある本社に侵入取材をしていた動画が面白かった。DIは、数年前からタブロイド紙のExpressenがスクープし続けているSellpyの劣悪な労働環境(衣類からでるホコリや倉庫内の温度の問題や、カメラと音声による監視など)と、組合との間で労働協約を結んでいない件は最近どうなっているのかを質問していたが、労働環境は改善され続けており、労働協定についても現在はどの労働協定を結ぶかを検討する段階まできていると、Sellpyのスウェーデン市場の責任者は説明していた。

スウェーデンだけに限ると、Sellpyを使って家にある衣料品や小物を売るという習慣は根付いてきたものの、これからのSellpyの課題はセカンドハンド品をネットで買うという行動を定着させること。今後はここに注力していくとのことだったが、Sellpyの倉庫には今大量のセカンドハンド品が山積みになったまま、それほど売れていないということだろうか。

さて、私もSellpyのことは知っていたが、実はつい最近初めてSellpyでTシャツやセーターなど何点か買ってみたばかり。買ったらSellpy袋が無料で送られてきたので(通常は19クローナ(約250円)で買うと、それに袋送付のための送料とその後服などを入れて送り返す送料がこの19クローナに含まれる)、着ていなかったがいつものセカンドハンドショップに寄付するにはちょっと惜しいかな、と思って処分していなかった服を何点か詰めて送ってみた。

私のSellpy袋が開封されて販売向けに登録されるのは1ヶ月以上先だが、売れると販売額の40%が私の取り分となる(500Kr以上の売値となった場合は500Krを超える分の取り分は70%で、またそこから10Krの広告費用が差し引かれる)。また販売しないで、そのまま寄付したい場合は緑の袋にいれると、Sellpyが提携しているMyrornaなどのセカンドハンドショップにそのまま寄付してくれる。

寄付するにはちょっと惜しいな、と思っていた洋服たちをSellpy袋に詰めて送ってみた

中古衣料のEコマースはドイツ大手のZalandやスウェーデンで人気のNa-Kdなどのブランドも参入して活況を見せており、すてきなセカンドハンド衣料のセレクトショップ(という命名でよかったかな?)がネットでも売ることも増えてきた。

買っちゃってもサーキュラー・エコノミーですぐまた売れるからと変に消費に拍車がかからない限りは、この試みはもちろんいいものだと思うのだが、背後がH&Mであることに一抹の不安を感じつつ今日の項は終了。スーパームーンの影響か、妙に早起きしちゃったので金曜日の早朝なのに熱をいれて書いちゃったよ😅

おそらく日本の安倍元首相の銃撃事件とは特に関係もないのだろうけど、SVTがアメリカで増える自家製銃器の取材をやっていて、みていて背中が凍る思いがした。

取材に応じていたのは武器アクティビストのSteven Bozichさんで、3Dプリンターを使っていかに簡単にお手製の銃を作ることができるかを説明してした。アメリカでは拳銃その他の武器の所有は認められているので、これは登録されていない銃器が増えるという(だけの?)影響にしかすぎないが、武器の所有が制限されている日本などの他の国で広まっていくと大変なことになるのではと、思わず眉間にシワが寄る。

まぁ、3Dプリンターなどなくても人を殺傷できるほどの破壊力のある武器を普通の民家で作ることができるというのは、みごとに証明されてしまったわけですけど。

先日の、すべてのアメリカ人はたとえ公共の場であっても武器を持つ権利があるとして、ニューヨーク州の法律を違憲とするアメリカの最高裁の判決もショックだったけど、武器の所有が取り締まれないのなら、まぁ、そんな法律あってもなくても同じなのか(すみません、ちょっとヤケ気味だな、今朝は)。

Bozichさんは「銃規制を議論するのではなく、どうやって安全な社会を作り上げるのか、その方法を議論したい」と話していたけど、みんなが銃をもっているという土台の上になりたっている安全な(?)社会なんて嫌だな、と声をあげたいと思ったけど、これ人単位じゃなくて国単位でいうと当たり前の考え方だなということにも思い当り、もしかしてBozichさんの言うことを一理あるとして理解しないといけないのかと気づき、ちょっと困ったな。

暑くなると水難事故が増えるので、今年もまたSVTが水泳教室を取材していた。

(去年の記事はこちら。パスポートの待ち時間問題はこの頃からだったのか......とれないパスポート、泳げない子ども - swelog )

私は「スウェーデン人は服を着たまま水に落ちても、みんなちゃんと泳ぐことができる」といういわゆる都市伝説を聞いた覚えがあるのだが、今日のニュースで伝えられていたのは、スウェーデンの4歳から17歳の子どもたちの間で泳ぐことができるのはたったの63%で、それでもこれは昨年と比べて1%増加したというものだった。思ったより低い数字だが、それでもスウェーデンの子どもたちは他の国の子供たちと比べて水泳リテラシーが高いらしい。

スウェーデンで定義されている「泳ぐことができる」とは体だけでなく顔も水につかった後で200メートル(うち50メートルは背泳ぎ)泳げることを指す。これは小学校6年生の教科にも含まれていて、水泳技術は命を守るとの考え方に基づいて定義されている。

取材に答えていた水泳連盟の人は、スウェーデンの泳げない子どもたちの層は比較的はっきりしていて、それは経済的に逼迫している家庭の子どもや、親も海や湖から遠く離れた環境で育ち代々泳ぐ習慣がない家の子どもたちだと説明していた。また、これまでまずは平泳ぎを子どもたちに教えていたが、平泳ぎの技術は子どもたちには結構難しく、最近はまずはクロールから泳げるようになる子どもたちが増えていると話していた。

そうだったのか! 実は私もクロールはスイスイ泳げたが平泳ぎが苦手な子どもだった。水練教室は平泳ぎからだったので、いつまでも次の級に進めず悲しい夏休みを送った(これが結構なトラウマだったのか、今これ書いていて涙がでてきた🥲)。

泳ぐことができることは海に囲まれており、湖の多いスウェーデンでは命に関わる大切なこと。水泳連盟はインクルーシブ&ダイバーシティ目標を掲げており、そこには水泳は性別、宗教や経済状況、性的指向や年齢、民族、身体的障害に関わらず、みんなが参加できるものでならねばならぬと書かれている。夏の泳ぎは本当に楽しいし、泳げることは命を救う。すべての子どもたちに泳ぎに親しむ機会が与えられますように。

「投資家が男性だった場合、まず一生を通じて女性の体にはどういうことが起こるのかを説明します。初潮から月経、そして妊娠から更年期障害まで」と話していたのは、スウェーデンでフェムテック事業を手掛けるスタートアップ企業起業家、リディア・グラフルンドさん。

女性対象の健康関連デジタルソリューション事業、フェムテックはパンデミックの影響もあり、記録的なペースで伸びている。マッキンゼーは2021年にフェムテックに投資された金額は25億ドル(約3430億円)で、2019年と比較して約2倍となったと発表しているし、Future Market Insigntsはフェムテック市場は10年後には全世界で40億ドル近くの市場規模になると予測している。

フェムテックの中で一番伸びているは生理周期と妊活アプリだが、その他にも女性だけを対象とした医療サービスや、思わぬ失禁を防いだりよりよいセックスライフのための骨盤底筋トレーニング(スウェーデン語ではKnipövningキュッと締める運動と呼ばれる)やデジタル母乳ポンプまで。

先のグラフルンドさんたちは、スウェーデン初のデジタル婦人科クリニックEster Careを設立したが、その背景には婦人科診察の待ち時間が長いという現状もある。婦人科のニーズは高いのに、地域によっては申し込んでから実際に診てもらえるまで1年近くかかることもある。

(実際私もルンドの大学病院に不妊治療の診察を申し込んだら、診てもらえるまで10ヶ月待たされた。そしてやっと診てもらえた際には「あなたは対象年齢を超えているのでここでは治療できない」と言われ(最初からそう言ってくれ!)、その後マルメの私立の不妊治療専門医院に行ったという経験がある。あの時最初からすぐに診てもらえる私立クリニックに行っていたら、今頃子どもがわさわさいる暮らしだったかもしれない。ちょっとバカで、その頃は仕事を優先させていた自分に後悔はしていないけど、人生ってこういう風に進むのかと今でもしみじみ思ったりする)

他にも最近伸びているサービスとして、更年期障害に悩む女性のために「Womni」が紹介されていて、更年期障害に対応しているサービスは地域によって限られているので今後の伸びしろは大きいという。

スウェーデンの婦人科産科医組合も、現在の婦人科医不足による待ち時間が長さから今後のフェムテックの盛り上がりを歓迎しているとコメントしているが、従来の診察などと比べて費用がかかる可能性や、またすべてがデジタルで完結する場合はいいが、今のところは検査や実際の診察が必要となった場合は他の病院や診療所と連携していない場合は、また最初からステップをやり直す必要があるリスクなどを指摘していた。

しかし、冒頭の男性投資家への説明の仕方を聞いて改めて思ったけれど、男性の体って成長期が終われば、あとはそんなに変わるものじゃないのか? 体のリズムに耳を済ませながら暮らすってそういう感覚はないのだろうか? (わかっているようでわかってないなー、私も)

日本には一般社団法人フェムテック協会まであって、こちらよりはもっとずっとフェムテック関連が進んでいるよう。これがなぜなのか分析してみるとおもしろそう。

交渉が膠着しているSASのストライキだが、昨日はパイロット組合はSASを「信頼できない非礼な会社」といい、SASの方はパイロット組合を「正気を失った責任感のない人たち」と強く非難しあう事態に至った。

SASとSASのパイロット組合は、現在バカンス先に取り残されて戻ってこれない旅行客のために、木曜日には一旦はこれらの顧客を帰国させるためのフライトを飛ばすことを約束した。続く金曜日と土曜日にはこの目的で51フライトが運行され、また昨日の日曜日も21フライトが運行されたが、その後パイロット組合は「乗客が帰国できるように手を尽くしたが、SASの言っていることは信頼できず、月曜日以降は協力できない」と声明を出すに至った。

組合側は、取り残された旅行客たちは自力で帰国する選択肢があると主張しているが、ヨーロッパ中のフライトが混乱しており、またハイシーズンでホテルも満室が続いており、宿泊先の確保が難しいことは自明。SASはパイロットたちに責任意識を持って乗客を帰国させるため、フライトを運行するよう強く求めている。

一方、このような憂き目にあった旅行客たちがSASのストライキの影響により被った経済的な損失をどこまで補償してもらえるかは、今のところはっきりとはわからない。フライトがキャンセルされた場合最大で600ユーロまでの補償金も含めた対応をとってもらえる可能性があり、現在消費者庁が運営しているネット上の補償返還金見積もりサービスへのアクセスが殺到しているが、SASの財務状況を考えると補償が行われるかどうかは怪しく、一般顧客に代わって補償金請求を行うサービス企業などは現在SAS案件の取り扱いを中止している。このような会社は通常は戻ってきた補償金の3割程度のサービス手数料と引き換えに面倒な補償金請求を代行してくれる。

SVTの記事はフライトがキャンセルされた場合の乗客の権利がまとめているが、それによると、航空会社はフライトを再予約するか、航空券の代金を払い戻す必要がある。また乗客は欠航により必要になった食事代や宿泊代を請求する権利があり、さらに欠航によって生じた損失補償を請求できる権利もある。これの上限がEU内のフライトの場合は250〜600ユーロとなっているが、SASからはいまのところこの補償に関するコメントはない。

SASで2019年に起こったストライキの時には、SASはこのストライキは悪天候や政情不安と同様の「避けることのできない異常事態」として補償金を支払いを拒否している。この時はスウェーデン国内の苦情総合処理庁(ARN)ではSASの訴えが認められたが、この件はその後欧州司法裁判所に持ち込まれて、SASはそこで敗訴している。今回はどのような扱いになるかは不明だ。

戻ってこれない方々は「私たちはどうして飛行機でバカンスにでてしまったのか?」とちょっと考えてみるのもいいかもしれない。

***

では、また来週!

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