番外号・息と言葉の特別な一週間
この一週間は、私には特別な一週間でした。
スウェーデンを出てから今日で早くも2週間。毎朝毎晩のニュース番組からも毎夕の義母とのビデオ会話からも遠く離れた京都の実家で過ごしていると、スウェーデンで起こっていることは、まさに異国の出来事。
そんな中でもスウェーデンの公共放送SVTのニュースサイトに目をやると、毎日様々なニュースがアップされています。中でも私の印象に残ったのは「空港がなくなる」ニュースでした。
2021年4月19日〜4月24日のニュース
ニュースの主役は80余年の歴史を誇るストックホルム郊外のブロッマ空港。より大規模でより郊外にあるアーランダ国際空港があるので、ブロッマ空港の存在意義はこれまでも何度も議論されてきましたが、昨年からのコロナ禍の影響でついには空港の運営会社がブロッマ空港は経済的にも成り立たないと年次報告にまとめました。
そして、それを受ける形でスウェーデン政府がブロッマ空港閉鎖を具体的に検討する特別委員会を設立することを決めた、というのがニュースの主な内容です。
ブロッマ空港はなんといっても市内に近く、利便性に優れています。またスウェーデンの国内線の拠点でもあり、人気の観光地であるゴットランドへの便は、ゴットランドの観光経済にとっては重要なインフラであり、また南欧などへの多くのチャーター旅行便も飛んでいます。
しかし気候危機の今、近距離移動に航空機を使うことの是非の議論も大事です。また、ブログで取り上げた第一報のニュースの後、ゴットランドを始めスウェーデンの地方経済側から空港閉鎖計画反対の強い意見も続出しており、議論は今後ますます熱を帯びていきそうです。
そう言えば2000年くらいまではコンコルドという超音速旅客機も飛んでいました。原子力発電所はこの先どうなるのでしょう? これまでの経済が創り出してきたインフラのうち、この先、何がどれくらい私たちの暮らしから消えていくのでしょうか? とか考えていたら、突然ローマ時代の水道橋のことを思い出しました。
さて、これ以外のニュースのラインナップはこんな感じでした。
息と言葉の特別な一週間
一方、京都の実家では、私は今も帰国後14日間の隔離の最中で、窓の外を流れる疎水の新緑を眺めながら、ずっと見つめ続けていたのは呼吸、息。考え続けていたのはそれにまつわる言葉でした。