Week of Action! と「ママたちの気候正義座り込みデモ」
北欧通信 118
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Week of Action!と「ママたちの気候正義座り込みデモ」
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「40代50代でも大胆にキャリアチェンジ! スウェーデンのリスキリングとこれからの仕事」
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職場からコーヒーが消える時
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スポティファイでマネーロンダリング
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猛暑の中の労働生産性から、新しい労働環境基準へ
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テロとAIとDechefr
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肉泥棒
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フィンランドの大量のプラスティックゴミをスウェーデンで再生
Week of Action!と「ママたちの気候正義座り込みデモ」
来る9月15日(金)から22日(金)は社会と気候正義のための行動週間。
スウェーデンでは100を超えるNGO組織や各種団体が、社会と気候正義のためのアクションを呼びかけていて、初日の9月15日は世界中で一斉に予定されているフライデーズ・フォー・フィーチャーの気候正義のためのストライキの日であるし、他にも様々なワークショップや市民的不服従活動、講演会やアート、ソーシャルイベントが予定されている。
More info at fridaysforfuture.org
私は先日出かけた『Breaking Social』の上映とパネルディスカッションの際に、このWeek of Actionのチラシをもらった。サイトを覗いてみるとフライデーズ・フォー・フィーチャーやエクスティンクション・リベリオン(XR)、グリーンピースといったよく知る団体名に混じって「Mother’s rebellion(反抗するママたち)」が各地でイベントを計画していることを知る。
スウェーデン語では「Rebellmammmorna(レベルマッモナ)」と呼ばれるこの活動は、XRと連帯しており、母、親、そしてすべての賛同者たちに開かれている。持続可能な社会の実現のために、今のそして未来の子どもたちのために闘うことを諦めないと宣言するママたちの抗議活動だ。
「反抗するママたち」は、平和的なデモを組織し、多くの場合は公共の場で輪になって一緒に座り、歌い、スピーチを行う。政治家や他の権力者たちが、気候危機に対して断固としたアクションをとらない現状への怒りと絶望をあらわにし、諦めてしまっている他の人たちを勇気づけ、また未だに危機の大きさと緊急性を理解しない人たちへメッセージを送る。
https://www.instagram.com/p/CwuHK05MfqW/
「反抗するママたち」に参加するには、実際にママである必要ななく、おばあちゃんでもおじさんでもシスターでも、要はどんな人でも大歓迎なのだが、パパや、自分はパパであると自認している人たちには、スウェーデンには「反抗するパパたち」というグループもある。
これからママたちのアクションは9月12日の国会の会期が始まる日に行わるほか、主に9月23日を中心に全国各地で開催される。日本のママたちは、気候正義の他にももっと抗議したいこともありそうだけど、日本のママたちが一丸となって座り込みを始めたら、きっとすごい!
立ち上がれ若人、座り込め、ママたち!
すみません!先週お知らせしておくべきだったのに、見事に忘れました。エルのラーゴム連載9月分、更新記事はこちらです。よろしく!
Patrik Svedberg/imagebank.sweden.se
やりたいことがわからない時は、やりたくないことを考えてみるといいかもしれない
とうことで、今月のエルのラーゴム連載は「リスキリング」について。新しいスキルを身に着ける“リスキリング”で国から補助金をもらえる制度のことや、最近では人生の後半に勉強することが一般的といったことを書いています。
最近耳にするようになったのが「弁護士だった兄が急に仕事をやめ、料理学校で学び直してコックになった」とか「普通の会社員だったけど、50歳をすぎて昔の夢を思い出し、必要とされる研修を受け資格をとって警察で働きはじめた隣人」や「銀行員だったけど、失業を機に職業特化型高等教育を受けて、今では工場で工作機械オペレータとして働く人」など、「え、本当?」と、思わず真偽を確かめずにはいられないタイプの転職の話だ。
そう言えば、私も去年からずっと大学で勉強しているなー。いや、転職の予定はないのですが、スウェーデン映画に関する知識増進とスウェーデン語力の底上げをほそぼそと続けております。
事態は恐ろしく深刻である。これがこの先、どのような問題を引き起こしていくのか予想がつかない。
財政難に陥ったフィンスポングス・コミューンは、職員へ無償で提供していたコーヒーのサービスを廃止する。同コミューンは、今期4800万クローナ(約6億4000万円)の赤字に陥る見込みで、コーヒーの無償サービスを廃止することで年間40万クローナ(約530万円)の経費節減を見込んでいる......
スポティファイについてはこれまでもいろいろな側面からの記事を取り上げてきたし、スポティファイで再生回数をさまざまな方法で水増するという手口についても書いたことがある。
今回明らかになったのは、犯罪集団が麻薬取引で得た現金を、スポティファイを使ってマネーロンダリングしているという新手のやり口。スヴェンスカ・ダグブラデーット(SvD)のスクープによれば、例えば麻薬取引で得られた現金で仮想通貨を購入し、その仮想通貨で協力者に支払いを行う。協力者はスポティファイで楽曲の提供と再生を行い、スポティファイからは再生回数に見合う、汚れていないお金が支払われるというもの......
一時は8月なのに手袋がほしい!と思うほど寒くなりかけていたけど、今週は25度前後の暑い日が続くよい天気。オフィスには短パン姿の男性がまだ大量にいる。
アメリカでの調査によれば、気候温暖化による生産性の低下は社会に多大な損失をもたらしており、暑さにより毎年25億時間分の労働力が失われているそう。Lancet Countdown(すごい名前の調査だな。奈落に落ちるまでの時間をカウントダウンしているのだろうか?)の2022年版の報告書は、2021年に世界全体で暑さにより失われた労働時間は4700億時間であると算出しており、国際労働機関(ILO)は、気候変動により2030年までにフルタイムの8000万人分の雇用相当の生産性が低下すると見ている......
Dechefrというのは、ストックホルム大学のAI研究者も開発に関わったAIツールで、SNSやネット上のディスカッション・フォーラム、またメールのやりとりなどの文字によるコミュニケーションの中から、テロリストを見つけ出そうとするものだ。
Dechefr | AI based risk assessment solution
スウェーデンでは最大のテロの脅威は個人の単独行動によるものになるだろうと考えられていて(2017年のストックホルムの繁華街でトラックが人混みに突っ込んだテロ事件もそうだった)、このツールはその兆候を見つける手助けをする......
続くインフレで、スーパーの肉売り場から牛肉の盗難が増えたとか、高い肉のコーナーには鍵がかけられて、店員さんに言わないと買えないようになったとか、肉の盗難についていろいろ小耳に挟んでいたけど、私はどうやらこのニュースを勘違いしていた。
『万引き家族』のように、お金はないが肉を食べたい人が盗むのかと思っていたけど、スウェーデンの肉泥棒の多くは、おそらくはもっと組織化された犯罪......
マルメで稼働している最新式のテキスタイルの再生用選別工場のことをエルの連載で取り上げたことがあるけど、先日ニュースになっていたのは、モタラ(Motala)という街にできる「Site Zero」というプラスティックゴミの選別・再生工場。
11月から稼働する予定のSite Zeroはスウェーデン市場のすべてのプラスティックゴミの選別と再生を扱うことを目標にしているが、当面は外国のごみ処理にも開放されており、今回フィンランドの同業者との間で来年年頭から3年間にわたる契約を結んだ......
という感じで、今週はここまで。また来週!
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また、先週レターの体裁を変えた件について、コメントやメールでご意見を寄せていただいた方、ありがとうございました。リンクだけだと、スマホの場合は本当にタイトルくらいしか出ないようなので、今週はリンクに加えて導入部のテキストもいれてみました。この形はどんなものでしょうか?
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