透明すぎる個人情報の扱いと社会の信頼

スウェーデンに住み始めた日本人の誰もが驚く、その個人情報取り扱いに関するあけっぴろげさ。これは一体どういうことなのか? その背後にある法律、考え方などを探ります。
ブロムベリひろみ
2021.04.03
読者限定

みなさん、こんにちは!

今日から毎週日曜日に、こうしてお便りの形で記事をお届けできるのをとても嬉しく思っています。第一回目の今日は、これまでもswelogの多数の読者の方から「これ、いったいどうなってるんですかー?(調べて書いてくれませんか?)」とリクエストをいただいていた「ちょっと、やめて!」な、この国での個人情報の取り扱いについて書いていきたいと思います。

その前に、このニュースレターの簡単な説明をもう一度。このニュースレターは無料でこれから毎週日曜日に配信する予定です。レターは2部構成で、後半のメインとなるその週のテーマ記事の部分(今週であれば「透明すぎる個人情報の扱いと社会の信頼」の部分はレターの購読者の方への限定配信(その後このウェブ上でも購読者への限定公開)とする予定ですが、レターの前半部分は直前の一週間にブログで毎日書いてきた記事をまとめて紹介して、その部分は誰でも読める一般公開とします。テーマ記事も読んでみたいと思われる方は、ぜひこちらから購読の登録をお願いします。

それでは、さっそくその前半部分から書いていきます。だた今回はちょうど昨日の土曜日にこれまで続けてきたメルマガの最終号を配信したばかりでもあるので、リンクだけで、さっとご紹介します。

2021年3月28日〜4月3日のニュース記事

この一週間の記事の中では、これからやってくる未来とはどういうものになるのかを考えずにはいられない「西アフリカ熱帯雨林での種の絶滅が次のパンデミックに直結か?」のインパクトが私には強烈でした。他にもおや、これは? と思われたものがあれば、ぜひ下記リストからクリックしてみてください。(swelogのブログのページが開きます)

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今週のテーマ・透明すぎる個人情報の扱いと社会の信頼

Credits: Patrik Svedberg/imagebank.sweden.se
Credits: Patrik Svedberg/imagebank.sweden.se

さて、スウェーデンに住み始めた日本人の誰もが驚く、その個人情報取り扱いに関するあけっぴろげさ、とはどのようなものなのか? ダイレクトメールを捨てる前に書かれている住所をスタンプで読めなくしたり、シュレッダーにかけたりされている日本の方には、にわかにはわかってもらえないかもしれませんが、この国では結構なボリュームの個人情報が「合法的に」ネット上のあちらこちらで出回っています。

ちょっと検索すれば、人の住所、年齢、電話番号はもちろんのこと、同居している人は誰かといった情報や、さらには所有している車や犬の情報にいたるまで、ネットで簡単に探すことが可能です。私も自分の名前の横に堂々と年齢が書かれているのを、あるサイトで最初に見つけた時は(もう15年以上も前だと思います)ものすごくショックでした😱

カーテンを閉めない国

日が短く外が暗くなるのが早い、冬のスウェーデンに来た人は、夜になっても人々は窓にカーテンを引かず家の中の様子がよく見えることに気がつかれるかと思います。こんなスウェーデンの習慣を、元在スウェーデン日本国大使の森本誠二氏は著書の中で以下のように記しています。

日常生活でも、文字どおり透明性が要求されるのもスウェーデン社会の特色といってよいだろう。端的な例としては、ほとんどの家庭でカーテンを閉めることがない。(中略)妻が知人のスウェーデン人から聞いたところでは、部屋にやたらカーテンを引くと、何かやましいことや疑わしいことがあるのではないかと思わるということであったが、興味深い発想である。
『スウェーデンが見えてくる「ヨーロッパの中の日本」』(新評論)より

隠し立てをしないといけないのは裏でなにか悪いことをしているからだろう、やましいことがなければ隠し立てすることもない、という考え方が、スウェーデンでは個人の生活においても、またこの先述べるように政治や社会においても浸透していますが、こと個人情報取り扱いに関しては、私の電話番号や同居している人は誰かまでネットで検索できるだなんて、これはいくらなんでもやりすぎではないのでしょうか? どうしてこんなことになっているのでしょう?

公文書公開の原則

では、まずスウェーデンではどのような考えで情報というものを扱っているのかをみていきましょう。民主主義による大きな政府で、国民から多くの税金を集めて国を運営するスウェーデンでは、権力の腐敗を防ぐために透明性の高い社会をつくることに重きをおいています。

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