ポルノと性教育

外食(Äta ute) / 首相への不信任案 / ポルノと性教育/ ヴェロニカ・マッジオ
ブロムベリひろみ
2021.06.20
誰でも

外食 (Äta ute)〈今週のフィーカ話〉

金曜日に久しぶりにルンドのレストランで食事をしました。出かけていったのは街一番のGrand Hotelのメインダイニング

コロナ禍で長らく少しカジュアルなビストロのみの営業になっていたグランドホテルですが、今週末はGrand Royaleと銘打った6皿のスペシャルコースを提供することを知り、4月の私の突然の日本行きでほったらかしにされていた夫の誕生日と私たちの結婚20周年のお祝いを兼ねるということで予約しました。

いろいろいただいたけど、一番美味しかったのがサバ!でした。おつまみではいろんな葉っぱ!を食べたよ
いろいろいただいたけど、一番美味しかったのがサバ!でした。おつまみではいろんな葉っぱ!を食べたよ

座席はとてもゆったりと配置されていたけど、テーブルはすべて埋まっておりもうコロナは終わったのか? と錯覚するような夜でした。私はもうずいぶん前から食事するときはゆったりしたレストランがいいなと思い始めていたので、もうこれから先コロナが落ち着いても、どのレストランもこれくらいのゆったりした座席間隔にしてくれれば嬉しいなぁ。

首相への不信任案〈今週のニュース〉

さて、今週は(「今、こんなことしてていいのか?」と言いたい感じの)激動の政局でした。左党の信念はわかるけど、首相への不信任案が提出されるに至る流れとかちょっとややこしすぎるような。スウェーデンの政権の行方に興味のある方は、詳しくは下の記事からどうぞ。

明日の月曜日には2018年の選挙の時の政権が決まらない不安定さとかが戻ってくる可能性があるとか、なんだかなー。でもこの週末は国民は大半は、政局よりも、今、国全体を覆っている熱波に喜んだりしたり、うなされたりしているという状態ではないでしょうか。

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この件に関してはロイターが日本語でも記事を出していました。
スウェーデン首相不信任案、来週可決も 選挙か暫定政権の見込み

この不信任案のニュース以外では、最北の地でスウェーデンとフィンランドの間で鉄道旅客が再開されるとニュースに注目。

さっそくこの電車に乗ったり、前から行きたいと思っていたルーレオ近くのArctic Bathに泊まったり、ついでにフィンランドのロヴァニエミにいったりする旅行の計画を立て始めたりしたけど、Arctic Bathって2人用の部屋でも一泊7000クローナ(約9万円)くらいする! ( 朝食込だが、夕食は別料金)。高いだろうなとは思っていたけれど、想像以上に高かった。涙。

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ポルノ業界とMetoo、映画「Pleasure」と性教育〈今週のテーマ〉

 今年公開予定の「Pleasure」
 今年公開予定の「Pleasure」

「Pleasure」

スウェーデンの映画監督ニーニャ・テューベリ(Ninja Thyberg)は長年に渡りポルノ業界を内側から取材してきました。今年2月にサンダンス映画祭でワールドプレミア上映された彼女の最新作「Pleasure」では、19歳のスウェーデン女性がロサンゼルスに行き、ベラ・チェリーという名を得てポルノ女優として業界と自己の間で揺れる姿を描いています。

作品はフィクションですが、出演者のほとんどが実際のポルノ俳優として活動をしている人たちでドキュメンタリーに使い雰囲気を醸し出している映画だそうです。スウェーデンでも今年初めのヨーテボリ映画祭で上映されましたが、コロナの影響で残念ながらまだ一般公開されておらず、私も公開を楽しみにしているところです。

ニーニャ・テューベリ

16歳の時にアダルトビデオを初めてみて、その生々しさと残忍さに驚いたというニーニャ・テューベリは、反ポルノ活動家として、またジェンダー研究者として「ポルノは女性を搾取するもの」という確固たる考えのもとに活動を続けてきました。

ヨーテボリ大学でジェンダーと映画について学び、これまでに12本の短編映画を撮り、多くの映画祭で受賞もしている有望視されている監督で、今回の「Pleasure」も第70回カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞したリューベン・オストルンド監督の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』と同じPlattform produktionが制作しています。

ポルノは性的に興奮させるロマンチックなものと考えていた若い彼女が目にしたのは、美しい女性が顔に精液を塗りたくられて横たわっているだけのグロテスクなものでした。

ポルノとMetoo

一般社会の中の男性の優位性と女性の従属性が極端な形で持ち込まれたポルノの世界で長年取材を続けてきたテューベリ監督は、この業界でもMetooの影響がみられ、業界は正しい方向へと向かっていると思う、と少し明るい自身の考え方をスウェーデンの経済誌ダーゲンス・インダストリのインタビューで明らかにしています。

「個人的な見解ですが、業界では残虐性や暴力の描き方は弱まってきたと思います」と話す彼女は、今後もポルノ業界で意識が高まり、その影響を分析しこれまでのあり方への批判を続けることで、例えば10年後にはより倫理的なポルノを見ることができるのでは、と業界の意識改善に望みを捨てません。ポルノ、アダルトビデオ業界の問題はそのコンテツの製作に関わったり、消費したりする人たちだけの問題でもないと強く話していました。

世界のポルノ業界

ダーゲンス・インダストリーの記事には世界のアダルトビデオの業界事情として様々な数字が紹介されていました。(読んでて「世界の中で日本が抜け落ちているのでは」と思いましたが)。こんな統計があるもの面白いとは思いますが、記事によると世界のAV業界の8割は2004年に設立されたカナダのMidngeekが所有しているそう。またXvideosなどのサイトを運営するポーランドのWGCZ社も多くのシェアを持っています。

事業運営の詳細や経営陣への透明性がまったくないMidngeekは、Pornhubなどの多くのAVサイトを運営しています。そして、今このようなアダルトはSNSのようにほとんどのコンテンツは個人によってアップロードされる方式。コンテンツの数が尋常がないほど多く増え続けているため、Mindgeekのようなサイトの運営会社はすべてを把握していない(もしくはしたくもない?)。

Mindparkも海賊版や著作権侵害などでも非難され続けてきましたが、今年2月にはアップロードされているビデオの中に未成年者が出演しているものや人身売買の疑いのあるもの、またレイプを撮影したものがあるという問題でPornhubの代表がカナダの議会へ召喚されています。

アダルトビデオと若者、性教育

ポルノ業界で女性の問題を取り上げると「でも出演している女性は自分で好んでこの業界を選んでいるんだから」と、AV女優自身の問題に帰結されがちな議論には十分注意しないといけないとテューベリ監督は言います。問題は搾取の構造的な仕組みであることをみんなが理解するまで訴え続けなくてはいけないと彼女はいいます。

また通常セックスは関係者だけの間で行われるものなので、若者たちが他人をセックスを知るほほ唯一の機会であるポルノ、アダルトビデオの内容には十分気を配る必要があるとも。

この秋の新学期からスウェーデンでは、どの科目を担当する教師も性教育に取り組めるよう教員に求められる能力レベルの変更が行われます。また実際に学校のカリキュラムでも性教育の授業を強化していく予定です。

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この機会を映画界はどう捉えればいいか、この4月にスウェーデンのフィルム・インステチュートが教育担当大臣や「Pleasure」のテューベリ監督と一緒に行ったセミナーがYoutubeで公開されていますので最後にこちらを紹介します(スウェーデン語です)

再生はこちらからどうぞ。<a href="https://www.youtube.com/watch?v=HmNAJE-2AZs">https://www.youtube.com/watch?v=HmNAJE-2AZs</a>
再生はこちらからどうぞ。https://www.youtube.com/watch?v=HmNAJE-2AZs

またこれは英語メディアですが、Variety誌がサンダンス映画祭の際にニーニャ・テューベリに行った充実のインタビュー記事もありますので、こちらも興味があればぜひ。「Pleasure」撮影当時は、まったく演技経験のない20歳だった主演のソフィア・カッペルを発掘した経緯や、撮影時に工夫したことなどが詳しく語られていて大変読み応えのある記事になっています。

variety.com
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ベロニカ・マッジオ (Veronica Maggio)〈今週のスウェ推し〉

さて、今週の推しはベロニカ・マッジオ。スウェーデンでは彼女の曲を聞いたことがない人はいないのでは? と思うくらいの大ヒット曲をいくつも持つ彼女が、この夏スウェーデンの国鉄SJの「 今、地上にとどまって("Nu Stannar vi på marken")」キャンペーンに登場。(ヴェロニカの名前は知らなくてもこの唄を聴いたことがある人は多いのでは?⇒Spotifyでどうぞ。”Jag Kommer”)

旅の再開。会いたかった友人、行きたかった場所。でもこれからは違う旅の方法で… (電車でね!)というこのキャンペーン、すっかりコロナが終わったような感覚に陥って、旅の計画を立て始めた今の私たちにぴったり。私はヴェロニカの広告を見るまでもなく、用事もあるので夏休みのストックホルムまでの電車往復の旅の切符はもう手配しました。

あれ、今気がついたけど、ヴェロニカ・マッジオはほとんどスウェーデン語でしか歌っていない? まぁ、英語の唄でも私はよく歌詞とかわからないまま聴いていること多いし、よかったら、ヴェロニカとSJと一緒にスウェーデン横断の電車の旅をどうぞ。ビデオの最後に出てくるSJの新しいキャッチコピーは「未来の旅の仕方」。

これからは、これからも旅は電車で。

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さて、明日の夜にはスウェーデンの政局はいったいどんなことになっているのやら… こんな時に、こんなことで気を揉むことになるなんて…。swelogのブログの方では不信任案の行方も含めて毎日ニュースを伝えていきますので、今週はよかったらブログの方も覗いてみてください

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